(書評)いま、n回目のカノジョ

著者:小林がる



え~っと、最近、自分の小説感想の書き方である、最初に粗筋を書く、というパターンから外れた書き方をするケースが増えている気がする。本作も、その形にすることとする。だって、粗筋を書きづらいんだもの。
タイトルからもある程度、予想できるように本作はループもの。ただし、基本的に何もない、日常の中の一部がループするだけ。そんなループの事例(?)を描く形でつづられる。
登場人物は基本的に3人。ループの原因である少女・詩音。そんな詩音に付き合って、ループに巻き込まれる主人公・和人。そして、そんな二人と出会い、ループ現象に興味津々な、ぼっちキャラ流留。その3人のやりとりがメイン……ってところかな?
この作品の特徴は、基本的に「何もない」というところだろうか。同じ日を何度も、とか、そういうのは多い。けれども、本作の場合は、ループする時間は数分間程度。そして、そのループは何もせずとも解決してしまうことが多い。でも、先に書いた流留が加わったことで、積極的に解決をしようという方向へと動いて……でも、基本、ギャグ。
ある意味、この話って、選択肢を選んでいくゲームをやっているプレイヤーの心の声を描いている気がする。ループするのは、ある出来事が開始された瞬間からその結果までの時間。まず、その結果が何なのか? というのを予測し、そして、それをどう回避するのかと試行錯誤する。ゲームのプレイヤーは、もちろん、前の失敗はわかっているから、そうならない方法を考える。すると……。例えば、第2章、ループをするのは喫茶店で客が限定パフェを食べたとき。じゃあ、それを自分たちが食べれば……となる。すると、喫茶店のマスターに働きかけたり、その客に働きかけたり、はたまた、強引に奪い取ろうとして……。ノベルゲームだとあらかじめおかれた選択肢を選ぶだけだけど、実際に何でもできるとなると……こんな感じになるのかな? と感じた。
その中で、一番笑ったのは、ジェットコースターに乗ったときにループする第4章。そもそも、ジェットコースターが苦手な存在が、何度も何度もループする。しかも、当初、見立てた原因は間違い。そして、理由はわかったが、今度はそれを達成する条件がシビアすぎる。繰り返すうちに会話自体が成立していかなくなる流留とか、最終的に解決したときの解決方法のしょーもなさとか大笑いだった。
そういう中で、最後のエピソードだけはちょっと真面目で浮いている気がしたけど、これはこれで仕方がないかな? なんかギャグアニメの最終回が、意外と真面目みたいな感じで読み終えた。
まぁ、ギャグメインなだけに、ツボにはまる、はまらないは大きいと思う。私は好きだけど、イマイチという人も当然にいるんじゃないかな? とは思う。

No.4330


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