(書評)さよなら、サイキック 2.愛と解放の地図

著者:清野静



「わたし、木佐谷樹軍乃は、あなたのことが好きです」 ドルチェ開店の日、ぼくは軍乃に告白された。ぼくを慕ってくれるロンドと、軍乃、いきなりリア充生活がはじまった。そんなとき、朱音儀チヅル、蒔田ヒルガオとも知り合い……
一応、話としては完結編。なんつーか……すっげぇ勿体ない。今さら感想を書いている奴が言うな、とツッコミ食らうかもしれないけど。
結構、物語としては前後半で攻守交替が行われているような感じ。
前半は軍乃のターン。積極的にログへとアプローチをかけてくる軍乃。しかし、そんなとき、突如、ドルチェをやめると言い始めた。なぜならば、自分が超能力を使うところをチヅルに見られたから、という。そして、二人でチヅルを尾行するのだがなぜかいつもまかれてしまう。一方、後半は、ロンドが正式な魔女の後継者となるべく、長老会議へと出席を目指す、という話。
前巻の感想で、軍乃を『物語』シリーズの戦場ヶ原さんっぽい、ということを書いたのだけど、今回、ますますその思いを強くしたり。基本的に、ログに対してちょっと攻撃的な発言をしながら自らの好意を表明していくのだけど、結構、打たれ弱い。そして、ピンチになったり、はたまた、ストレートに迫られると弱い。チヅルとのやりとりとか、そういうのも含めて、実際に付き合うとなると面倒くさそうだけど傍から見ている分にはかわいい。そんな感じがより強く思えた。
そして、そのような中でポイントとなるのは、「恋をすると、超能力が消える」というもの。
軍乃からの積極的なアプローチを受け、もちろん、軍乃のことは嫌いじゃないログ。しかし、自らの超能力は……。一方、そんなログは長老会議へ出るロンドに協力する。こちらもロンドの力は落ちる気配がない。超能力者と魔女は似て非なるもの、とは言え……
ちょっと駆け足気味ではあるけど、ある意味、三すくみ的な関係で、「落ちる」はずの超能力が健在、という中で、自分の気持ちを考え、結論へ。概して爽やかな雰囲気の中で、ちゃんとタイトルの部分についてまでしっかりと描き切ったのはよかった。ただ、三角関係というのもあっただけに、軍乃とロンド、仲良しながらも、ちょっとしたところでログを取り合うとか、そういうシーンとかも見てみたかったな、とも同時に思う。
しっかりとまとまっていると思う。でも、キャラクターが良いだけに、もうちょっと見てみたかった。

No.4333


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