(書評)ワールドエネミー 不死者の少女と不死殺しの王

著者:細音啓



吸血鬼、グール……世界にはびこる怪物たちの頂点に君臨する大敵(アークエネミー) そんな大敵を狙う史上最凶のハンター・ノアと、彼を育てた大敵吸血鬼エルザ。二人は、狡猾なる吸血鬼セルネッツァAを追う……
しまった、シルヴィの存在を粗筋に書くのを忘れた!(阿呆)
結構、物語はシンプルなアクション、謀略もの、という感じだろうか。冒頭、この世界では怪物と戦う組織でもある教会のシスターであるシルヴィとノアたちが邂逅。そして、実は教会が吸血鬼によって支配されていたことをノアに助けられ、共にゼルネッツァAを追うことに。
アクションと書いたのだけど、でも、それだけではない。怪物というと、圧倒的な力を持っていて、力任せに、という感じがするけどそうではない。人間を操って、組織の中に入り込む。人の姿をして、周囲をだます。そして、国、組織などを支配してしまう。そのエルザの力によって、この辺りに怪物が潜んでいる、ということはわかる。しかし、どこで、どのように潜んでいるのか、というのを探るところから物語が開始される。
例えば、王宮において、王子が怪物を目撃した。怪物を倒す、という聖水すら通用しなかった、ということで怯え、部屋へと閉じこもり気味。すると、何が必要かと言えば、その王子に面会する。そして、そもそも、王子が怪物に操られていないか、から確かめる必要がある。そして、確かめたのなら……。終盤は当然、敵との戦いが待っているわけだけど、そのような過程をしっかりと、テンポよく描いていくため非常に読みやすい。
そして、キャラクターそのものも魅力的。ノアについては、ちょっとぶっきらぼうな言い方は悪いけど、よくある主人公タイプ。ただ、その周辺にいるシルヴィとノアが良い。元シスターであるシルヴィ。ただ、先にも書いたようにこの世界の教会は怪物との戦いをする組織でもあるため、体力が滅茶苦茶あり、普通の怪物なら拳で黙らせる武闘派。当初は、ハンターとシスターの違いとかに戸惑うものの、結構、順応性が高くて何でもする。一方のエルザは、大敵の一人であり、シルヴィなど……というのだけど、シルヴィの作る食事にアッサリ懐柔。かなりのチョロイン(笑) ダークな雰囲気はあるんだけど、この辺りの軽さが良い感じで読みやすさを助けていると思う。
物語的にまだまだ……っていうのは、このレーベルらしいところではあるんだけど、そこを除けば読みやすく楽しい作品。

No.4341


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