(書評)イックーさん

著者:華早漏曇



今は昔、夢漏町幕府の頃、さる山寺にイックーさんという、たいそうイキやすい小坊主がおったそうな。そんな小坊主、イックーさんの活躍(?)を描いた短編集。全25編+αのエピソードを収録。
なんて言えばいいのだろう……コレ……(汗)
タイトルからわかるように、元ネタとしては『一休さん』。『屏風から虎』とか、『この橋渡るべからず』とか、そういうネタを下ネタへと変換している。ただ、『寿限無』などの落語ネタとか、終盤には時代背景が全く違うフランシスコ・ザビエルっぽいキャラが出てきたりとか、必ずしも『一休さん』ネタというわけではない。勿論、そこは徹底的に下ネタへと変換しているわけだけど(ただし、エロスという印象はない)
というか、とりあえず下ネタをぶっこんでおけ、っていう意味では、『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』(赤城大空著)とかが頭に浮かぶ。ただ、『下ネタという~』は、その中に社会風刺的な話があったり、そこで世界をどう変えるか、的なところがあったのだが、こちらは先に書いたようなものを下敷きにした徹頭徹尾の下ネタギャグ。この部分の違いがかなり大きいと思う。
なんていうか……この作品、結構、ワンパターンなんだよな。それぞれのエピソードでクスっ、とか、「しょーもねぇ!」(誉め言葉のつもり)とかはあるんだけど、それをひたすら繰り広げられると大分食傷気味になっていく。それぞれのエピソードは、本当に数頁程度。空白のページなども挟まれて230頁あまりと、分量としてはかなり少ないはずなのに、ちょっと読むのに時間がかかってしまった。そのうえでいうと、このワンパターンな形で、これだけの話を作り上げる著者は特筆ものと言えるのかもしれないけれども。
で……実のところ……私、この作品で一番ツボに入ったのは……
巻末のオマケである『十返舎イック』だったりする。執筆しながらいかにして自慰をするか……もう、本当に「くっだらねぇ」んだわ。変に回りくどいパロディよりも、ストレートに「くっだらねぇ」話をするようなものの方が好きだな、っていうのを自覚した。
というか、この話もそうだし、先に書いた『下ネタという~』もそうなのだけど、感想とかを書いていると明らかに変換のクセがおかしなことになるのは仕様なのだろうか?

No.4352


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