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(書評)異世界拷問姫3

著者:綾里けいし



激闘の末、『大王』フィオーレを撃破したものの、ヒナの離脱、櫂人と『皇帝』との契約……大きな代償を払うこととなった。そこへ入ったのは王都壊滅とゴド・デオスの死の一報。王都に向かったエリザベートと櫂人が目にしたのは、残る3体の悪魔の契約者が融合し、猛威を振るうという惨状だった……
あとがきで著者は「3巻で話は一区切り」と書いているわけだけど、区切りは区切りでも、思い切り次へ向かってのステップでしかない気もする。
エリザベートが「処刑されるために」倒すべき悪魔は残り3体。しかも、その3体は融合することで、恐ろしき惨状を作り出す。その中で、王都を守るために、禁忌にも手を出していたゴド・デオス、そして、聖騎士イザベラ。忌み嫌われる存在でありながらも、王都を守り、戦うエリザベート。その中で、櫂人のエリザベートに対する想いは募っていって……
これまで、どちらかというと、「強い」面が強調されてきたエリザベートだけど、今回は、弱さを感じるシーンが多め。壊滅した戦場で孤独になくエリザベート。それを慰める櫂人。そもそも、虐待の末、命を奪われようとしていたところを櫂人はエリザベートに……。
エリザベート自身の願いは、この戦いを終えて、「処刑される」こと。それは、櫂人自身が分かっている。しかし、それで割り切れることはない。その中で、最後の戦いに挑むことになるが……
……といったところで最終決戦の前に、おいしいところを持っていくヒナって一体(笑)
ともかく、戦いの果ての勝利。そして、その結末は、当然のように……そこで、櫂人がとった行動は……
冒頭に記した著者のあとがきで、「この作品は惜しげもなく内容を突っ込んでいくと決めている」と書かれている通り、一気に物語が進んでいくわけで、その意味では確かに一区切り。でも、引きが強すぎて、どう考えても「区切りになってない」感があるんだよな。しかし……これって、どちらに転んでも幸せになる結末が見えない……。なんか、このまま4巻でシリーズ完結っていう感じがしないでもないのだけど…さて、どうなる?
……やっぱり、区切りになってねぇな(笑)

No.4386


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