(書評)白戸修の逃亡

著者:大倉崇裕



なぜか中野に来ると災厄に見舞われる白戸修。防災学者と共に中野を訪れた白戸は、その前例通りに何者かに襲われ、洋服を交換させられてしまう。結果、世界的なビッグイベント・メガトンコミックフェスタへ爆破予告をし、中止に追い込んだ犯人と間違われ、多くの人々に追われることに。そんなとき、彼を救ったのは……
シリーズ第3作で、シリーズ初の長編作品。
なんていうか、物語的にはオーススター総出演、といったところだろうか? コミックフェスタを中止に追い込んだ張本人として追われる白戸。SNS、そして、人数を頼りに白戸を追い込む追っ手たち。その追っ手から白戸を守ろうとするのは、これまでのエピソードで白戸が行動を共にした人々。そんな人々の手助けを受けながら、自分と入れ替わった相手。そして、その男が奪い去った防災学者のスマホを追うことになる。しかし、そこにはコミックフェスタで起きたある事件が関わっていて……
正直なところ、前作を読んだが6年前だったので、どんなエピソードがあったのか、というのは覚えているのだけど、具体的な固有名詞と特技とか、そういうものが全く結びつかない(苦笑) ピンチになると、それぞれのスペシャリストが現れて白戸の危機を救う。そして、次の一歩をとなると、また次の危機が現れて……という感じでテンポ自体は良いのだけど、なんか、ご都合主義観が出てしまうのはちょっとなぁ、という感じ。
まぁ、自分自身がコミケにサークル参加している身だから、いきなり愉快犯的行動で中止にされたことについての怒り(特に、『黒子のバスケ』関連での数々の中止とかは目の当たりにしている)とかはわかるし、また、そういうイベントがちょっとしたトラブルで中止になってしまう、という脆弱さも知っている。さらに言えば、ある意味では自己責任なのだけど、体調不良の人とか不慣れな人を助ける余裕があるか、というと……というのもわかる。その辺りのテーマは身をもって知っている……つもり。その辺りのテーマっていうのはわかる。
……のだけど、そのネタで1つの長編を組み立てるのはちょっと弱いかな? という感じ。もっと短編で十分に濃い話を創れる著者だけに。
とりあえず言えることは、私のように前作から6年もの時間を空けて読むと、キャラクターの名前が頭から抜けていて、作品の魅力を大分損なうぞ! ということは間違いないだろう。

No.4391


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