(書評)結物語

著者:西尾維新



大学を卒業し、警察キャリアとなった暦。四か月の研修期間、直江津署風説課に所属することに。怪異譚となる前の、「風説」を取り締まるそこで、暦が目の当たりにするものは……
ということで、風説課で暦が出会う事件を描いた短編集。4編収録。
一応、それぞれのエピソードにおいて、風説課の女性刑事と共に行動をし、それぞれの刑事は、半魚人だったり、ゴーレムだったり、人狼だったり……というのはあるのだけど、実のところ、彼女らが関わる事件を描きつつも、これまでのヒロインとの再会とかを描いて、高校時代と社会人になっての比較、というようなものを描いている。そういう意味では、思い出話的なところも多く含まれていたりする。
新しいヒロイン的存在である刑事が一番、活躍するのは半魚人である周防刑事が登場する1編目。川で子供が溺れる事故が立て続けに発生。事故にあった子供は、「手に引かれた」という。その真相は……? 駿河の話もちょっと出てくるのだけど、怪異の正体がなかなか独創的。確かに、想いが人形に宿る、とか、そういうのはある。となれば……という感じ。
逆に思い出話的なところでは、2編目。直江津高校への通学路となっている道で、生徒が服を切り刻まれる、という事件が発生。現場に赴いた暦だったが、忍はここには何もない、という。さて、その原因は……。過去のエピソードでも、謎のキャラだった扇。彼女と再会し、真相も出てくるのだけど……読み終わると、ますます何なのだ、という感じる。でも、なんか、相変わらずで、楽しそうな扇っていう変な感想が残った。
そして、3編目、4編目は、時間の中での暦の変化、周囲の変化に焦点が当たっている印象。3編目では、羽川さんが帰国する、というのが事件になっているのだけど……何デスカ、コノ人……。過去でも完璧超人だったけど、高校を卒業し、世界を回って……国境を消したりとかって、もはや何なのだ、という感じ。そして、そんな彼女だからこそ、やろうとしていたこと。ある意味、最も近しくて、しかし、遠くもあった関係が大きくズレたのだ、という感覚が残って印象的。
逆に4編目はひたぎさん。……研修中に破局を迎えた、というところからの話なのだけど……
こっちはもう……勝手にやっててください、って感じかな。羽川のエピソードとは逆に、相変わらずな関係で何より、というか何というか……。
そういう意味では、オフシーズン最終巻っていうのにふさわしいのかな?
……次からはモンスターシーズンだっていうことだけどね……(結局、まだ続くんかい!)

No.4412

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