(書評)いつかの空、君との魔法2

著者:藤宮カズキ



グラオベーゼンの結果、空を覆っていたダスト層雲は取り払われた。「青空のヘクセ」として一躍、名が知れ渡ったカリム。急速に距離を縮めるカリムと揺月を前に、自らの想いを封印しようとするレイシャだったが……
正直なところ、前巻で物語が完結していたと思っていたら2巻が出て、それを購入したは良いがひたすら放置していた自分(笑) おかげで、前巻の話とかも大分記憶から薄れていた(苦笑)
前巻は、カリムが抱えている苦しみ、後悔。そういうものを描きつつ、彼と揺月の関係……みたいなところだったけど、今回は完全にレイシャのコイバナって感じ。
カリムに思いを寄せている。それは間違いのない事実。けれども、カリムにとって目に入っているのはあくまでも、自らのせいで「大喰らい」にしてしまった揺月ばかり。勿論、以前のようにただの罪悪感、ということはなくなったがゆえに、より「恋人」に近い関係となり、レイシャとしては入る余地すらない。だからこそ、その想いは封印しようと思うのだが……
こういうと何だけど、ある意味、負けヒロイン的な立場からの物語って珍しいんじゃないだろうか?
ラノベに限らず、様々な物語で、自分に入る余地はないな……と思いを封印しようとするキャラクターをみてキュンとする、とか、そういうことは多いのだけど、普通は、それって物語の一部でしかない。でも、本作の場合、徹頭徹尾、その描写だけで埋め尽くされている。揺月が悪いわけではない。カリムだって悪いわけではない。恨むべき相手ではないからこその苦しさ。そして……
逆説的なのだけど、この作品の場合、この終わり方をしたことで本当に「恋のバトル」へと入る形になるはず。でも、ずっとレイシャ視点で物語がつづられてきたからこそ、逆にそれが「良いこと」のように思える。勿論、自分の想いをぶつけて散るのと、ただ封印して終わるのでは違う、ということはわかるのだけど……
この形になったことが果たして、レイシャとにとっていいことなのか? それとも……
気になる終わり方なのは確か。

No.4425

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