(書評)異世界Cマート繁盛記5

著者:新木伸



異世界スローライフ短編集第5作。今回は、序盤、中盤、終盤でそれぞれエピソードの傾向が大きく変わっている、という感じがする。
序盤は、「〇〇無双」エピソードが次々と。
何となく輪ゴムを仕入れ、何に使うか……と考えた結果、輪ゴムをぶつけ合う遊びに発展。輪ゴム鉄砲がブームに! という『輪ゴム無双』。少女漫画を買ってきたら、エナがどハマり。さらに色々と買ってこようと思ったら、そもそもエナが読んでいた作品は何だ? ということで、適当に見繕ったら、それにもハマって……すっかり会話がなくなっちゃった……と……
一方、中盤はオークについての話が多めに。
作品世界で忌み嫌われているオーク。Cマートにやってきたオークに対し、周囲の目は冷たい。しかし、どんな種族だろうが関係ない、というのが主人公のモットー。まして、村にゾンビが出て困っているので、それを倒すための武器が欲しい、しかし、金が足りない。そんなオークを見かね、サービスしようとしたところ、先ほどまで蔑視をしていた周囲の面々もカンパしてくれて……。すごく優しい世界で良いな、これ。
そして、そんなサービスの恩返しに、とそのオークの姉がやってきて……誰も持てそうにない武器を。気持ちはありがたいけど、いらない、っていう辺りは笑いとどころか。
そして……終盤に待っているのは、現代社会の方で世話になっている美津希の攻勢。
身分証明書などのためにも、と家賃を払って残しておいた現代社会のアパート。ところが、居住実態がない、と追い出される結果に。そこで美津希に相談をすると、ならば、祖父と暮らす質屋に空き部屋があるからそこへ、という話に……
いや、美津希さん……なんで、そこまで主人公の世話を焼くの?(笑) いや、住所を維持するために、ということかと思ったら、異世界へと戻ることすらさせず、毎日、おいしい食事を与え、現代社会での日々を送らせて、って……。いや、美津希がいい娘なのはわかるんだけど、その一方で、そこに甘えて、エルフやエナたちのところへ戻らない主人公にちょっと苛立ちを覚えた。
……まぁ、その結果、エナたちも現代社会へとやってきてみんなで食事を、というこの巻の大団円になるわけだけど……
ちょっと主人公の株が落ちたな、と感じたり。

No.4431

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