(書評)優しき悪霊 溝猫長屋 祠之怪

著者:輪渡颯介



長屋の祠をお参りして以降、幽霊を見ることが出来るようになった忠次たち、4人の少年。手習所の修理のため、しばらく間借りすることとなった空き家の店でかくれんぼをしていた彼らは、そこで幽霊を見ることに。その「幽霊」は「おとじろう」と告げるのだが、奇しくもその娘と縁談のあった男・乙次郎が行方不明になっていて……
シリーズ第2作。
正直なところ、第1作目はちょっと物足りない、と感じていたのだけど、2作目になって一気に盛り返したように感じる。「嗅ぐ」「聞く」「見る」と、それぞれ、別のことで幽霊を感じる少年たちが、次々と幽霊と遭遇。そして、その幽霊が告げた名前の人間が、次々と殺害されて行って……
幽霊が告げる名前の人物が殺害される。だからこそ、次に名前が挙がるのは誰なのか? そして犯人は? その部分を取り出せば、普通のミステリ作品なんだけど、その物語の中心になるのが子供ということ……
「危ないから行くな!」と言っても、好奇心やら、遊びたい、という気持ちからそんな大人の忠告は聞かない。そして、その結果、幽霊に遭遇し、次なる遺体発見につながってしまう。ある意味、事件解決には結びついているのだけど、でも、子供たちとすれば全く意図していないわけだし、単にいやがらせのように思えてならない。その辺りの感覚。そして、そういう子供たちにくぎを刺しつつ、これはこれで子供たちから嫌がられる大家さん。この辺りの雰囲気は著者らしいな、と素直に思う。
そして、今回、一番、印象に残るのは……
やっぱり蓮十郎だろうな……
終盤、実は剣の達人である彼が……っていうのは、一つ、お約束になるんだけど、このやり方は最早、恐怖しか覚えない。何、この拷問の上で自殺へと誘導するってのは……(笑) 普段の姿と違って、普通にそれを処理している姿を想像すると恐ろしすぎるんですけど……(ちゃんと、そのあと、大家さんに絞られるシーンで締めるのは流石、というところではあるが)

No.4439

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