(書評)緋紗子さんには、9つの秘密がある

著者:清水晴木



「私と仲良くしないでください」 6月、由宇のクラスへと転校してきた緋紗子さんは、挨拶で開口一番、そう言い放った。クラス中が凍り付く中、自分の言葉を言い出せず、学級委員を押し付けられ、家では両親が離婚調停中という少女・由宇は彼女のその姿に憧れる。そんなとき、由宇は緋紗子さんのある秘密を知ってしまい……
なんか、こんな言い方をしてはいけないのだけど、キャラクター設定とか、はたまた性格とか、そういうのが凄くライトノベルっぽい。ただ、普通のライトノベルレーベルなら主人公が男のような思えるけど、本作の場合、少女同士、ということもありある意味、百合百合しい(笑)
序盤に出てしまうのでネタバレするけど、緋紗子さんの最初の秘密、というのは嬉しい、とか、楽しい、とか、そういう感情が高まると、身体が石のように固まってしまう、というもの。ひょんなことから、由宇はそれを知ってしまい、黙っているように言われるところから物語が始まる。
自分の感情を表に出せない由宇にとって、周囲の空気とか関係なく、ズバズバとモノを言う緋紗子は、ある意味、憧れの存在。だからこそ、緋紗子に近づくのだけど、言葉は相変わらず。でも、何だかんだで緋紗子は由宇を気遣ってくれるし、由宇自身もそれに感化されていく。そして、その中で、1つ、また1つと、緋紗子の秘密(と言っても、性格的なこととか)を発見していく……
こういうと何だけど……緋紗子さん、なんたるツンデレ!
なんというか……緋紗子に感化され、少しずつ自分を表に出せるようになっていく由宇。けれども、ある事件から、緋紗子に対して疑念を募らせ、そして、緋紗子の体質についてバラしてしまい、緋紗子の復讐が始まって……というように話は流れていくのだけど、その流れ自体はどこかで見たような感じではある。また、最終的にハッピーエンドになるのだけど、そこまでうまくいくか? と思うところもある。
なのだけど、この物語は、物語の展開とかで読ませるのではなくて、あくまでも由宇の成長と、ちょっと面倒くさいけど、かわいい緋紗子のキャラクターというのをメインにしているのだろう。その部分がしっかりと描かれていて、そこにひきつけられた。すごく元気づけられる、とでもいうのかな。そんな作品。

No.4455

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