(書評)T島事件 絶海の孤島でなぜ六人は死亡したのか
- 18, 2017 11:37
- や行、ら行、わ行の著者
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著者:詠坂雄二


月島前線企画に持ち込まれた依頼。それは、10年前、ホラードキュメントのロケハンで孤島を訪れたスタッフ6人がそこで死亡したという事件。1人が1人を殺し、自殺。あとの4人は事故死。スタッフの残した映像から、そのように警察は結論付けた事件について不満がある、という依頼人は、その事件の調査を依頼するのだが……
うーむ……
一応、『リロ・グラ・シスタ』などのシリーズ作ということになるのかな? まぁ、著者の作品はある程度、それぞれの作品につながるがあるとは思うのだが……
物語の大半は2つのパートを繰り返す形で展開する。
1つが、島に渡ったスタッフの残した映像の中の様子。フェイクドキュメンタリーを撮るために島へ渡ったスタッフたち。昔は人が住んでいた、というその島を歩き、映像として使える場所を探る。しかし、その中で事件が……。もう1つが、そんな映像を見ながらその事件について考察するスタッフたち。月島前線企画は、その名の通り、名探偵・月島凪が所長であるのだが、その月島凪は別の事件のために不在。その中で、映像を見ながら事件であるなら……と考察していき……
こういうと何だけど、事件そのものはかなり地味だし、その考察というのも、ある意味、重箱の隅をつつくような形でしかない。そして、一応の結論が出たとき、凪が帰還して……
ここで物語は大きく場面転換をする。物語も、島で起きた事件の真相は? というものから……
この作品の月島前線企画もそうだし、ある意味では『名探偵コナン』の毛利探偵事務所でもそう。いや、現実に存在している興信所などでもそうかも知れない。すなわち、探偵というのはある目的のために依頼を受け、その依頼人の希望を叶えることが一つの目的となっている。勿論、まったくの白を黒とすることはできない。しかし、もともと、あいまいなものならば? そして、それを加えての終章で出てくるのは、探偵のあり方……
もっと別の方法で、謎解きなどとそのまま調和させて、このあたりのあり方を考えさせる物語も作れるのかもしれない。でも、本作の作り方だからこそ、終盤が際立つ、とも言えるんじゃなかろうか。
No.4497

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月島前線企画に持ち込まれた依頼。それは、10年前、ホラードキュメントのロケハンで孤島を訪れたスタッフ6人がそこで死亡したという事件。1人が1人を殺し、自殺。あとの4人は事故死。スタッフの残した映像から、そのように警察は結論付けた事件について不満がある、という依頼人は、その事件の調査を依頼するのだが……
うーむ……
一応、『リロ・グラ・シスタ』などのシリーズ作ということになるのかな? まぁ、著者の作品はある程度、それぞれの作品につながるがあるとは思うのだが……
物語の大半は2つのパートを繰り返す形で展開する。
1つが、島に渡ったスタッフの残した映像の中の様子。フェイクドキュメンタリーを撮るために島へ渡ったスタッフたち。昔は人が住んでいた、というその島を歩き、映像として使える場所を探る。しかし、その中で事件が……。もう1つが、そんな映像を見ながらその事件について考察するスタッフたち。月島前線企画は、その名の通り、名探偵・月島凪が所長であるのだが、その月島凪は別の事件のために不在。その中で、映像を見ながら事件であるなら……と考察していき……
こういうと何だけど、事件そのものはかなり地味だし、その考察というのも、ある意味、重箱の隅をつつくような形でしかない。そして、一応の結論が出たとき、凪が帰還して……
ここで物語は大きく場面転換をする。物語も、島で起きた事件の真相は? というものから……
この作品の月島前線企画もそうだし、ある意味では『名探偵コナン』の毛利探偵事務所でもそう。いや、現実に存在している興信所などでもそうかも知れない。すなわち、探偵というのはある目的のために依頼を受け、その依頼人の希望を叶えることが一つの目的となっている。勿論、まったくの白を黒とすることはできない。しかし、もともと、あいまいなものならば? そして、それを加えての終章で出てくるのは、探偵のあり方……
もっと別の方法で、謎解きなどとそのまま調和させて、このあたりのあり方を考えさせる物語も作れるのかもしれない。でも、本作の作り方だからこそ、終盤が際立つ、とも言えるんじゃなかろうか。
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