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(書評)わざと忌み家を建てて棲む

著者:三津田信三



黒、白、赤、青……。曰くつきの建物を組み合わせて作られた烏合莊。家主は、破格の条件で、その家に住む人を募集した。そこで起きたことは? そして、その家の秘密とは……
ということで、作中でも記されているように、『どこの家にも怖いものはいる』などと同じく、手記、記録などを著者がメタ視点でどういうことなのだろう? と考察していく物語。
「黒い部屋」に住むこととなった母子。当初は、特にこれといったことはなかったものの、奇妙な男が聞こえ、息子は何者かに髪を引っ張られるような気がするという。日記につづられる中で、だんだんと増えていく奇妙な出来事。そして、日記そのものも狂気に見えていって……。一方、同時期に入居した青年からつづられた「白い屋敷」。作家志望の彼は当初から奇妙な出来事が起きていることを自覚する。しかし、当初は、合理的な解釈を見つけ出すが、だんだんと説明できなくなっていく。いつこの家を出ようか? しかし、住むことで金が貰えるからもう少し。しかし……
女子大生が体験レポートのようなことをしながら、やがて何かに飲み込まれてしまう「赤い医院」。そして、超心理学の研究者がその家を探る「青い邸宅」……
こういうと何だけど、今回はかなり曖昧な形で物語がまとめられた、という印象。
そもそも、この家に住む人々がどういう経緯で住むことになったのか? また、もともと、どういう曰くがあったのか? などがわからないままに始まり、著者らの考察が開始される。それぞれの記録の中にあるちょっとした描写やら、表記やらで想像はしていくのだが……
結局、何が何だかよくわからないままだったなぁ……という感じ。
確かに、結論部分について描写の部分などがあり、それを考えると、この烏合莊というもの自体が……となるのはある意味、必然ではある。ただ、それが読者の求めていた結末だったのか? と言われると……
ある意味、ホラー、怪奇ものというのはわからないからこそ怖い、というのは間違いないのだろうけど……うーん……

No.4513

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