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(書評)追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ2

著者:田辺屋敷



秋。俺、篠山マサキは風間ハルカと真の出会いを果たした。平穏な時間を取り戻した、という思った矢先、壊れてしまったスマホの代わりに手にしたガラケーに奇妙なメールが届き始める。そして、そのメールのあと、その文章と関連するような出来事が。まるで、メールは未来を予知しているようで……
裏表紙の粗筋で、「今度はメール?」という言葉があるのだけど、その通りに、今回は未来予知ともいえるメールが届く話に。
近い未来に起こる後悔などのメールが次々と届くマサキのガラケー。最初は何事かと思ったものの、偶然とは思えない。そして、だんだんとそれが未来予知に他ならない、ということは判明していく。その中で、心配になっていくのは幼馴染であり、隣の学校に通うユリ。そして、リカ。
「結果が伴わないなら、努力なんて意味がない」
かつてのリカの言葉がトラウマとなり、肝心なところでいつも失敗してしまうユリ。そんな彼女が、文化祭の演劇で主役に抜擢されてしまう。そして、そんなトラウマを作り出したリカもまた、過去の出来事のトラウマが……
この話って、単独で見た場合は、いいSF青春モノだと思うんだ。自分のもとへ悩みなどについてのメールが届く。それを目の当たりにし、その問題解決のために動くマサキ。今回は、前巻のように、はっきりとこういうルールに基づいて謎がメールが影響している、とか、そういうのは明らかにされないのだけど、思わぬ形でその悩みを知り、そして、現実としてできる範囲でそれを克服するために動いて、解決していく、という流れは良い。リカの両親の対立。ある物事を一生懸命にやれせ、結果が出るまで頑張るべきなのか? それとも? どちらも間違っていないし、でも、正しいとも言い難い。その辺りは子育てとかで、永遠に続くテーマだろうしその対立を目の当たりにされたリカ自身の居たたまれなさなども……。そういうテーマ性はしっかりと伝わってきた。
ただ、同じ主人公の話、として見たときには「うーん……」という感じがしてしまう。というのは、前作で大きなウェイトを占めていたハルカは物語上、蚊帳の外になってしまっているし、キャラクターもいきなり放り込まれた感が強い。前回の話はどこに行った? という感じがしてしまうのだ。その辺りを埋め合わせるためか、最後に新たな展開を持ってきて引きにしているけど……ちょっと強引さを感じざるを得なかった。

No,4528

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