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(書評)暮らしの中のニセ科学

著者:左巻健男



多くの人が持っている「健康になりたい」「きれいになりたい」「病気を治したい」。このような願望に付け入ってくるニセ科学。そのようなものを紹介、どう問題なのか、などを解説した書。
著者は、「水からの伝言」などについての批判書などを多く書いていることで知られる人。本書は、後半でそれらも記すのだが、上に書いたように、健康とか美容とか、身体に関わるようなジャンルを中心に綴っている。「水からの伝言」についても、ただその問題だけでなく、「波動ビジネス」として健康に関するものにも関わっている、というようなことも記される。
私自身は、結構、その手の書っていうのは色々と読んでいて、巻末に記されている参考文献の中だと半分くらいは読んでいるので、ある程度、知っていることが多かったのだけど、例えば、そこに載っている『ニセ医学に騙されないために』(NATROM著)などは文字通り、治療法などに特化した内容であり、美容とかについては軽く触れられているだけ。そういう意味で、健康とかに関する情報を総合的に、網羅的に記した書、という風に言えると思う。
と、同時に、本書の場合、ただ、「これはニセ科学ですよ」という紹介だけでなく、序盤で心理学的な問題として、人間ななぜ騙されてしまうのか? というのを入れてからなので非常にわかりやすい内容になっていると思う。
そのうえで「水からの伝言」にまつわる話で、「きれいな言葉」「きたない言葉」などの話。著者が書いているけど「バカ野郎」って言葉でも、その時々の状況で全く意味が異なる、っていうのは全く同感。相手との関係性、状況で全く意味合いが異なるもの。と同時に、この「きれいな言葉」「きたない言葉」っていうのを物事を二分論で考えている、ということの結果でもあるんだよな、と思えてならない。これが学校などで道徳教材に使われている、というような辺りはうすら寒い。
また、EM菌にまつわる部分での、EM菌の(自称)万能っぷりには大笑い。悪い微生物を殺す、っていうなら、それが入った飲食物を摂取したら、そりゃ体がおかしくなっちゃうんじゃないの? っていう自制が働かないものだろうか? とかね……
先に書いたように、私自身は、この書で紹介されている参考文献などはある程度、読んだことがあるので既知の部分は多かったのだけど、ニセ科学とか、疑似科学と言われるようなものについて「どういうものがあるんだろう?」と興味を持ち始めた人にはすごく良い書籍ではないかと思う。そして、こういう書が定期的に刊行されている、っていうのは大事なことだな、とも思う。

No.4540

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