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(書評)金木犀と彼女の時間

著者:彩坂美月



学園祭の日、菜月は拓未に告白された。そして、その直後、彼女の人生において3回目のタイムリープが始まった。同じ1時間を5度繰り返し、その5度目の出来事が、その後の未来の前提になる。つまり、菜月はこの後、5回、拓未に告白されることになる。しかし、1回目のタイムリープで拓未は屋上から墜落死してしまい……
著者の作品を読むのは3作目。
正直なところ、私は著者の作品ってあまり得意ではない。何というか、キャラクターとかがまだよくわかっていないところで、どんどんキャラクターが登場し、そこに重要な情報などが詰め込まれていたりするのでどうにも置いてけぼり感を覚えてしまうことが多いため。
本作も序盤はそんな感じでそれを感じた。学園祭の様子を描いたプロローグ。そして、過去に戻って、初めて経験したタイムリープ。そのことが、自分の家族に大きな亀裂をもたらし、また、その後の菜月の人生にも影を落とした、ということが綴られる。物語の前提として、その情報がこの物語にとって大事なことは事実なのだけど、かなり情報が詰め込まれていて咀嚼するのに苦労した。
……が、いざ、学園祭が始まってからはすんなりと入ることが出来た。
何事もなく文化祭が終わり、拓未に告白される。それが本来の姿。しかし、タイムリープの最中に起きたのは拓未の死。もし、それを5回目でもやってしまったら拓未の死は確定する。タイムリープなんて、誰も信じてはくれない。だから、それを防ぐためには自分が何とかするしかない。しかも、友人とは喧嘩中。そんな中、拓未の周囲での奇妙な出来事などを一つ、また一つと解いてはいくが、しかし……
タイムリープもの、ということだけあって同じ時間を繰り返すわけだけど、結構、しょーもないミスリードがあったり、逆に……があったりと、緩急そろえているため飽きずに読めたのも良かった。
そして、その真相……。事件の犯人が陥っていたものを見つめながら、それは自らも……。そんな結末は読後感も良い。
多少、序盤は入り込みづらかったのだけど、読み終わってみると面白かった。

No.4547

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