(書評)今からあなたを脅迫します 透明な殺人者

著者:藤石波矢



「三分間だけ、付き合って?」 怪しげなナンパ師・スナオに付きまとわれることとなった澪。そんなとき、澪たちの前に現れたのは、植え込みからひょっこり生えている、という表現がぴったりくる自転車。その自転車の持ち主である少女・北条が抱えている問題と対峙する中で、闇金との戦いに巻き込まれ、その中で、脅迫屋・千川がその闇金屋を殺した……?
シリーズ第2作。
物語のテンポの良さはなかなかのもの。冒頭に書いたように、物語のきっかけは植え込みから生えた自転車。持ち主の少女は、どうやら、クラスメイトからいじめを受けているらしい。しかし、決して、それを認めない。そして、そのいじめのきっかけとなったのは、家庭の金銭的な問題。生活保護、闇金からの取り立て。その背景には、ある公務員の思惑があった。しかし、その人物は気づいたとき……。そして、残った闇金業者を追う中で、千川が、彼を殺すシーンを目撃してしまう。本当に、千川が……? その影にあるのは、何者かの思惑で……
うーん……あんまり「脅迫屋」っぽくない気が……
そもそもの問題として、中盤まで千川が登場しないし、千川は、殺人の容疑者。千川はそんな人物ではない、と千川がやったわけではないと調べ、彼の身の潔白を晴らそうとする。そんなときに浮かび上がってくる、人知れず、事件を起こしている存在。まぁ、ミステリとしては、こういうのもアリだと思うし、千川の抱えている闇、というものの掘り下げもされているとは思う。でも、「脅迫屋」というタイトルからはかけ離れている感じがしてならないのだ。
また、ミステリとして考えた場合、公務員死亡事件の真相は流石に無理があるように思えてならない。このトリックは、ある意味、古典的なものなのだけど、それを凶器として使うとかじゃなくて、っていう場合、不確定要素が強すぎるのではないだろうか? 風向きとかによっては、全く無関係の人間を死なせる可能性だってあるわけだし。また、最初の事件についても……
千川の掘り下げ、とか、シリーズ化に向けて必要なエピソードだったのかもしれないけど、ちょっと無理がある気がするなぁ……

No.4553

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