(書評)ライオンは仔猫に夢中 平塚おんな探偵の事件簿3

著者:東川篤哉



シリーズ第3作となる短編集。前4編を収録。
正直なところ、全体を通して低調、という印象がぬぐえないな、という感じ。なんか、トリックが強引だったり、犯人を特定する理由が強引だったり、とかそういうものが多いため。
その中で一番、話が凝っているな、と感じたのは1編目の『失われた靴を求めて』。会社社長の娘が墜落死した。警察は事故か自殺、として処理したのだが、納得できない父親はエルザのもとへ。調べを入れてみると、女性が死亡したその日、怪しい男が女性の家へと侵入していたという。そして、そこから消えていたのは靴……
転落死と男の関連性。そして、なぜに靴が消えていたのか? シンプルではあるのだけど、それぞれの要素の組み合わせ方がうまくパズルを解いているような味わいを感じた。
2編目『密室から逃げてきた男』は、その名の通り密室状態の部屋で他殺体と共にいた男の潔白を証明してほしい、と言われる話。もし、男がやっていない、となれば、どうやって密室を作り出したのか? というのが最大の謎となる。その謎自体は確実性に欠けるとはいえ、わからないでもない。ただ、そこから犯人特定は……。わからなくもないが、ちょっと強引かな? と感じたり。
最早、茶番劇と感じられるのは『おしゃべり鸚鵡を追いかけて』。屋敷で死亡した老人。その老人の可愛がっていた鸚鵡が逃げ出してしまった。その鸚鵡の捜索を依頼されたエルザたち。そもそも、鳥かごで飼っていたはずの鸚鵡はなぜ、そこから出ていたのか? そんな謎はある。しかし、いざ、それを見つけたと思ったとき……
いや、まぁ、確かに鸚鵡の生態に詳しい人がどのくらいいるのか? それを考えると、この真相もアリなのかもしれない。でも、本当、茶番劇、としか言いようがないんだよな……。ある意味では、ミステリに対するアンチテーゼというか。
エルザの事務所に猫がやってきて、美伽が猫に嫉妬するというヘンテコな三角関係が完成。そっち方面での人間関係は着実に進展はしている(?)が……

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