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(書評)忍物語

著者:西尾維新



大学生になった暦は、臥煙伊豆湖に呼び出され病院を訪れる。そこにいたのは、吸血鬼に血を吸われ、生ける木乃伊と化した直江津高校の後輩。縁もゆかりもない後輩の少女を助けるため、調査を開始する暦だったが、次々と被害者は増えていって……
正直、このシリーズは、『終物語』以降は、ただグダグダと続いているだけのように感じられて、イマイチな印象が強かったのだけど、今回はなかなか面白かった。
冒頭に書いたように、次々と発見されるミイラ化した少女たち。しかも、そこには奇妙な暗号。それが意味するものは? さらに、かかわってくるのは、忍を吸血にした張本人であるスーサイドマスター。しかし、そのスーサイドマスターもまた、ミイラ化した状態で発見され。
ということで、ある意味、『業物語』の続編的な立ち位置になる話なのだけど、次々とミイラ化した少女たちはなぜこうなったのか? 犯人は誰なのか? 一番、怪しいのはスーサイドマスター。実際問題として、被害者の少女たちはスーサイドマスターの眷属であることが判明している。でも、その肝心のスーサイドマスターはミイラ化している。となると……?
この辺りの仕掛けについて、本格ミステリとかであるある種の仕掛けが施されている。普通の殺人事件とは違う、吸血鬼によって、というところだからこそのやり方、っていうのは上手く設定を活かしていると思う。確かに、見分けつかないものなぁ……
そして、今回は、その中で、スーサイドマスターと忍の関係性がメインに。自分で狩った相手しか食わない、というスーサイドマスター。しかも、美食家。そんなスーサイドマスターが、忍を食べてしまったことで陥ってしまった状況。そして、一方で、今回の事件の黒幕となった人物の抱えていたもの。八九寺とか駿河とか、あのあたりも絡んできて、「人間らしさ」的なテーマにもつなげていくのは見事。
一応、本作から「モンスターシリーズ」ということになるらしいんだけど……このクオリティでやってくれるなら今後も期待できる……かな?

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