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(書評)勇者のセガレ2

著者:和ヶ原聡司



父に替わり「勇者」として異世界へ赴くことを決意した康雄。ところが、その矢先、一発目のテストで3つもの赤点を取ってしまう。原因は、勇者になるための指導のせい、と責任を感じるディアナは、自分が家を出ると主張。そんなとき、異世界からディアナの上司であるハリーヤが現れる。康雄の勇者修行に反対だという彼女は、学校にまで追いかけてくる。結果、ディアナとの関係を誤解した翔子との関係もギクシャクしはじめて……
正直なところ、1巻で話としては一段落ついたと感じているだけに、どう来るのかな? と思ったら、やっぱり準備段階をじっくりと描く形に。
勇者修行のため、学業が疎かになり、結果、赤点。追試を受けなければならなく……。この辺り、やっぱり地に足がついている、というか、学生生活の1ページという印象。この辺りを描いてくるっていうのは、著者の芸風だよなぁ……。
まぁ、今回、康雄の勇者修行に反対するハリーヤの言い分って、確かに、と思えるんだよね。
侵略者からの攻撃に対し、世界が一丸となっている時代であれば、まだ受け入れられたかもしれない。しかし、現在の世界はそこまでの脅威に晒されているとは言い難い。しかも、勇者の名前はとてつもなく脚色されている。その状況で、勇者、勇者の後継者という存在が現れたら国際問題の引き金になってしまう。しかも、その後継者が、実力不足である、となれば余計に……。ならば、それはやめておいた方がよい。
これは、確かにそうかもしれない、と思わせられる。この辺りは、著者らしい話の進め方だと思う。
とはいえ、すでにディアナたち以外にも異世界から何者かが現れているかもしれない。ということで、ディアナらが康雄たちの護衛につくが、今度は、それを勘違いした翔子の反応がおかしくなって……。そして、シィが現れて……
後半の流れは、翔子が生きたまま、シィに取り込まれて、という形で話が進んでいき、ハリーヤの事情も出てくる。まぁ、シィがどういう存在なのか、というようなヒントにもつながっていると思うのだけど……あまり、ハリーヤの事情とかが出てこない中で、実はこういう過去を背負っていて……となるだけに、ちょっと唐突な感じがしてどうにも感情移入しづらかった。しかも、あまり話そのものも進んでいないしなぁ……
『はたらく魔王さま!』シリーズもそうなのだけど、どうにもここのところの著者の作品って、丁寧さの代償に、テンポが悪いと感じられてしまうのが残念。

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