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(書評)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア9

著者:大森藤ノ



王国兵の出兵。迎撃に出るロキ・ファミリアによって蹴散らされていく敵兵たち。そんな中、ファミリアの中で話題となるのは幼き日のアイズの姿。
あとがきでも書かれているように、ここ数巻、ロキ・ファミリアの面々の掘り下げエピソードが続いていたわけだけど、その中で、今回は主人公的立ち位置にいるアイズの過去について描かれる。
物語は、現在のエピソードと、アイズの過去のエピソードを繰り返す形で綴られるのだけど、どちらかというとアイズの過去のエピソードの方が印象に残ったかな? 
前巻でベートが、過去のアイズについて「強さをひたすら追い求めていた」という風に評価していたけど、まさに幼いころのアイズはそんな印象。若干7歳にしてファミリアに入り、冒険者としての一歩を踏み出したアイズ。剣の腕などは全くなく、しかし、力任せにモンスターを撃破していく危なっかしい戦い方。当然、フィンやガレス、リヴェリアといった上層部は、その戦い方に危うさを覚えるのだが……
こうやって見ると、アイズって周囲の面々に恵まれたのだなぁ、というのをすごく思う。
アイズを厳しくしつけようとするリヴェリア。しかし、厳しすぎるその教育にアイズはあっという間に逃亡。一方のガレスは、ある種の鷹揚さと、失敗もまた成長の糧、という方針でアイズに接する。そして、そんな面々をしっかりとした視野で見守るフィン。勿論、アイズの才能が飛びぬけていた、ということは間違いないのだけど、危うさを抱えたアイズをこういった年上の面々がしっかりとサポートし、しっかりと育て上げたのだ、というのが強く感じられる。この辺り、当初は1人しかおらず、本人の人の好さでファミリアを大きくしていったベル(ヘスティア・ファミリア)と比較するとすごく対照的。
ある意味、物語の着地点に意外性はないのだけど、ファミリア=家族、という世界観そのものもしっかりと感じられるのは良いと思う。
ただ……酒に酔ったアイズは……恐ろしすぎる(笑) っていうか、現在であってもアイズって一般的な年齢としては未成年くらい。まだ、本当に子どもだった彼女に飲ませるなよ……という気がしないでもない(笑)

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