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(書評)デッドマンズショウ 心霊科学捜査官

著者:柴田勝家



映画監督・小平千手が手掛ける映画『生きている人達』シリーズに出演した人々が次々としかもバラバラ死体となって発見される事件が発生。遺体から発見された霊子はなぜか同じで、しかも、作中で「7日後に死ぬ」という呪いをかけられて……。陰陽師・御陵と刑事・音名井は捜査に乗り出すが、謎は深まるばかりで……
ということで、シリーズ第2作。
ある意味でこの作品は、ミッシングリンクを巡る物語なのかな? というのを思う。
と言っても、冒頭から被害者は、小平の映画に出演していた人々、というのは明らか。しかし、そこで謎となるのはなぜ、霊子、怨素が残らないのか? という点。その理由は何なのか? 小平の周辺を調べる中で、明らかになっていくのは小平の映画に出演した人々は、小平の主催する自助サークルの参加者であった点。そして霊子研究に纏わる物語。
「霊子については、わからないことだらけ」
というのが作中で語られる言葉なのだけど、この話って、霊子とは何か? そのシステムの紹介が主になっていたように思う。心霊研究者である曳月の恩師が開発した霊子が残らないようにする薬品。その方法によって行われている死刑というシステムと、その再利用……
正直なところ、ミステリの形は作っているのだけど、作中の制度とかシステムとかがよくわからなかったりするため読者がそれを推理することは不可能。むしろ、作品世界のそういったシステムがどのようになっているのだ、というのが構築されていく様を楽しむ作品という風に感じられる。その意味では、著者のベースであるSF作品の趣が強く出た作品になっているんじゃないかという風に思う。
それでも、それぞれのミッシングリンクが明らかになった上でひっくり返しとかが用意されており、形はしっかりと作られている。ただ、どうしても……という感じがしてしまう。

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