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(書評)編集長殺し

著者:川岸殴魚



川田桃香。ギギギ文庫1年目の新米編集者。カバーデザインに悩む今日この頃だが、デザイン案を編集長に見せると「なにこのヤ〇チャみたいな戦闘力なカバーは?」とのお言葉。見た目はかわいらしい幼女だが、ドSな編集長や、頼りになる先輩たちに囲まれた編集部員の日々……
最近多い、ラノベ業界を舞台としたお仕事(?)小説と言った趣の作品。
ラノベ業界の裏側とかそういうのは印象としてはあまりないかな? ブラックとか、そういう感想も見かけたのだけど、この手の作品をそれなりに読んでいる身としては、「こんなものじゃないの?」という感じ。むしろ、結構、テンプレートな感じの物語の中で、それぞれのキャラの掛け合いなどを楽しむコメディものかな? という印象。
まぁ、確かに、編集長は口が悪いし、例えば、原稿を挙げてこない作家などに対しての言説とかは色々とヤバい。でも、少なくとも、編集長がいるからこそ、編集部がしっかりとまとまっている、という感じはある。だって、「酒を飲むのも仕事」とか言いながら、編集長がいないと二日酔いやらでグダグダになる編集部の面々とか、帰れないから編集部に寝泊まり……と見せかけて、ただ、帰るのが面倒くさい、という人とか、色々とダメな人たちばかりだし。そうはいっても、目の前でそんな罵倒されてばかりだったら……っていうのはわかるけどね。
個人的に好きだったのは8編目の、折り込みの広報誌の担当を、という話。新刊に折り込むものだから、当然、書籍と同じく、いや、それよりも前に「来月の新刊」とかを知らせねばならない。それを担当したけど……。それを作るには、原稿の進捗状況を知らねばならない。そして、その中で何をピックアップして、どういうテーマで出すのか? しかし、そこで原稿を落とす作家がいたり、はたまた、連絡ミスがあったら……。先輩がフォローしてくれて……と思ったけど、そもそも、その苦労はお前のせいじゃないか! というオチに笑った。
そういうのも含めて、どういう仕事があるんだ、というようなものはわかったかな? もっとも、編集者という形だけに、もっと作家やイラストレーターとのアレコレとか、そういうのも読みたかったかな? というのもあったりはする。どういうのは続編に期待、だろうか?

No.4600

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