(書評)うちの姉ちゃんが最恐の貧乏神なのは問題だろうか

著者:鹿島うさぎ



学校では万年ビリで、超貧乏人の俺、神春紫苑。なぜそこまで貧乏なのかと言えば、自称・お姉ちゃんの貧乏神・福乃が取り憑いているから。福乃は見た目は幼女のみたいだが、怒ると本当に怖い。そんな俺は、家賃2000円の押し入れに住んでいるのだが、その部屋に御園樹愛理沙と百合沙という双子の姉妹が引っ込してきて、しかも、胸糞の悪い事件に巻き込まれて……
最初に物語の設定を書いておくと、舞台となる町は、金が全て。もっと言うなら、貧乏人は人間ではない、というような思想が徹底していて、学校にしても、同じ学校なのに金持ちは豪華な設備の整った教室で、一方、紫苑らがいる貧乏人のクラスはボロボロの校舎で、という状況。また、犯罪行為をしても、金持ちはその金、権力ですべて抑えこめ。警察も手出しできない。そんな世界観。そんな状況をひっくり返すには、相手を貧乏にすること。そして、福乃が怒ると、相手を貧乏にさせてしまう。
粗筋を読んだときは、もっと話としてはほっこりとした感じかと思っていたら、胸糞の悪い金持ちが、その権力を盾に事件を起こしたことに反撃に出る、という話だった。
終盤のその金持ちをどう倒すのか、という辺りでの駆け引きはなかなか面白かった。福乃の力で、という能力はある。けれども、それは直接、紫苑に危害が加えられたときにのみ力を発揮する。そのため、どう相手に「手出しさせるか」を巡っての頭脳戦とかはなかなか読み応えがあった。
ただ……そこまでの過程がちょっと長く感じられた、っていうのと、福乃の「お姉ちゃん」設定があまり感じられなかったところがちょっとマイナスかな、と。ぶっちゃけ、福乃が妹でも、お母さんでも構わないような感じだし。まぁ、その分、愛里沙のツンデレキャラっぷりは光っていたような気がするけど。
個人的には、もうちょっと福乃のキャラが掘り下げられていたらなぁ、と思う。

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