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(書評)上手な犬の壊しかた 玩具都市弁護士

著者:青柳碧人



捨てられた玩具と、訳ありの人々が暮らす街バッバ・シティ。元敏腕弁護士であり現在はパン屋を営むベイカーと、父を探すミズキの元には次々と事件が舞い込んで……
というわけで、シリーズ第2作。
人間のように喋ったり、行動したりするが、そもそもの構造などが全く違う玩具というところが特徴の作品だけど、今回はその特殊性というよりも、近未来だから、という部分に重きが置かれているように思う。
例えば、密室で人間が殺害された1編目『倒すのは、ドミノだ』。監視カメラの映像で、部屋に入った者は限られている。その中で、部屋にはびっしりとドミノが。ドミノメーカーの玩具であるハンク・ザ・3rdはドミノを見ると、それを倒さないように行動が制限されるため、動けなくなってしまう、ということなのだが……。僅かな時間で大量のドミノをどうセットしたのか? というのがポイントになるのだけど、これは完全に近未来だからこそのトリック。ちゃんとヒントは出ているからフェアではあるんだけど。
2編目『アニマルカートの刺客』はより、その印象が強い。レース中、忽然と消えてしまった1台のカート。それは? 正直なところ、これって周囲にバレない? っていう気がしないでもない。ただ、意表を突いたものであるのは確か。
トリックのすごさ、っていう意味では、やはり4編目で、表題作ともいえるだろう『GOD-DOGの一族』。犬型玩具たちの玩具団のボスが死んだ。その後継者争いがおこる中、次々と事件が起きて……。これは犯人が誰なのか? というフーダニットの話ではあるんだけど、そのあとのトリックが何よりも印象的。ボスのメッセージが記録された時間。そして、その後、後継者に選ばれた者に訪れる不幸な事故の数々……。その意味するものは? どちらかというとこの巻は近未来的な部分が多く出ていて、玩具ならでは、という部分が少なかっただけに、最後のエピソードでそこもしっかりと前に出してきたのが印象に残るのだと思う。
一応、ミズキの父を巡る話にも進展が出て……なんだか、余計にわからなくなって……
シリーズ全体を通しての謎も進んでおり、3作目も楽しみ。

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