(書評)僕と君だけに聖夜は来ない

著者:藤宮カズキ



12月24日の夜。高校生である理一は、片思いの相手・なつみと結ばれた。……が、直後、目の前で彼女は命を落とす。そして、気づくと、2日前、22日に戻っていて……。告白が彼女の死のトリガーであることに気づく理一だったが、どのように回避しようとしてもなつみは告白してしまい……
なんか、滅茶苦茶に難易度の高いノベルゲーをやっている気分。しかも、これが正解って、トゥルーエンドじゃなくて、ノーマルエンドみたいな感じがするのだけど……
ということで、物語はループもの、という風に言えると思う。そして、物語は文字通りに冒頭に書いた粗筋の通り。
何しろ、物語が始まり、自分がループしているんだ、というのに気づく。そして、そのトリガーが告白されることだ、というのに気づくまで結構、時間がかかる。そこまでは、とにかく、ひたすらにクリスマスまでの2日間を過ごし、最後に……というのが繰り返される。で、しかも厄介なのが、「告白されなければいいんだ」と気づいて、振ったらどうなるか? なつみが自殺してしまって、やっぱりループ! 元々、なつみは学校でも孤立した存在で、しかも、その原因に、なつみが自分の特異体質によってイジメを受けていた過去があった……というものがあり、半ば、彼女が理一に依存している、という状況がある。なんか、スタート時点からかなり絶望的な状況と言える。
そして、何をしてもダメだ、という絶望に陥ったとき、理一の前に現れた未来から来た、という少女。
彼女によれば、なつみが死ぬのは、地球外の侵略者によるもの。そして、その侵略者を倒す兵器を開発する存在。だからこそ、その存在を消すために……
そこから明かされるクリア条件もなんか……滅茶苦茶ハード。この作品内では、12月24日だけど、それ以前でも、それ以降であっても……となる。なつみが好き。なつみを守りたい。でも、なつみを傷つけたくもない。その中で、どうやって未来を手に入れるのか……
もう、この条件だとこれ以外がないんだろうな……。納得は出来る。出来るんだけど、読み終わって「良かった」とか、そういう感じではないんだよな。それが持ち味だ、というのは確かなのだろうけど……。というか、そもそもが絶望しかなかった中、それでも光が見えた、ということを喜ぶべき結末、っていうことなのかも知れないな……

No.4729

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