(書評)掟上今日子の色見本

著者:西尾維新



「掟上今日子は預かった。返してほしければ、10億円用意しろ!」 今日子のボディガードである親切守の元へ掛かってきた脅迫の電話。天涯孤独の探偵を救うため、守は捜査を開始して……
シリーズ第9作。
骨格となる謎部分は、今回、結構、しっかりとしているな、と感じた。
冒頭に書いたように、物語は今日子が何者かに誘拐される、というところから始まる。そもそも、一般人でしかない今日子の身代金に10億円とは? というところから、とりあえず集めた2億円で値下げ交渉をしたら、相手は2億円が用意できたことに驚いた様子を見せる。それはなぜか? 一応、犯人視点の描写があるので、犯人の狙いが何なのか? というのは明かされるのだけど、その後も、どうやって今日子を誘ったのか? そして、犯人は誰なのか? 今日子はどこにいるのか? という謎を出していくためにテンポよく読むことが出来た。
その一方で、犯人視点の物語。こっちは、著者の作品らしい掛け合いの物語。今日子は人質なのにやりとりは終始、今日子ペース。そもそもの問題として、なんでそこまで今日子の要求にそこまで従わねばならないのか? というような疑問はあるんだけど、「身代金として10億円を要求した」というのに、「ギリギリで許せる」とか、なぜか毎回、服を変えろ、ということを要求し、毎回、犯人が用意した服に対して酷評をするとか、終始、犯人を振り回しっぱなし。これまでのエピソードでもあった黒さがいかんなく発揮されていて笑った。
まぁ、よくよく考えるとこのアジトからどういう風に動いたのだろう? とか、気になる場所はある。それに、犯人の背景とかもよくわからないところがあるし、頭脳派に見えて穴の多い計画とも思えるし。ただ、それでも、テンポの良さとか、そういうところが良くて、なかなかいい感じの話だったんじゃないかと思う。

No.4733

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  • 2018.04.25 (Wed) 21:38 | 刹那的虹色世界