(書評)極小農園日記

著者:荻原浩



毎日新聞で連載された表題の通りのエッセイなどを中心としたエッセイ集。
構成としては、第1章と、最終章が表題のもの。第2章がJR東日本の車内誌に掲載されたもの。そして、第3章がその他の媒体に掲載されたものを集めたもの、という形になっている。
第1章の話についていうと、庭に作った文字通り、猫の額ほどの畑でこんな野菜を作っている。そのときに、っていうので、なかなかにマニアック。言葉としては知っている連作障害とか、そういうものもあるし、そもそもが狭いからせいぜい、一株、二株くらいずつしか作れない、なんていう悩み。自分自身は(一応、農家育ちなのに)あまり詳しくないのだけど、それでも、楽しんでいる様子とかは感じられた。多分、実際に家庭農園とかをやっている人なら、より楽しめるんじゃないかな? と感じた。
その中で笑ったのはアブラムシ対策。なるべく殺虫剤は使いたくない、ということで牛乳を。ところが、それをスプレーボトルに入れてもすぐに詰まってしまう。結果、口に含んで吹きかける。でも、それを周囲から見られたら……。著者の顔とかは知っているので、その様子を想像して笑ってしまった。
旅をテーマにした第2章で印象深かったのは、まず、全都道府県でどこに行ったことがあるか? というもの。自分も前にやったことがあるのだけど、埼玉出身の著者と同じく、自分も比較的太平洋側は言っているのだけど、北陸が怪しい、四国も……。これが行動的とは言えない東日本の人間の……と書かれているけど、自分も同じだなぁ、と共感した。東京に住んでいるのだけど、故郷である大宮に行くと温度が違う気がする、という話。自分なんかは千葉と言っても最南端エリアなのではっきりと気候が違うのは理解しているのだけど(雪なんて積もったことがないし)、ほんのちょっとの違いでも意外と違う。まして、沖縄とか、北海道とかの人の常識は全く違う、っていう話はそうだろな、と感じる。
そのほか、小説を書き始めたころ、こういう風に綴った、とか、そういうところもなかなか面白く読めた。
最後に、一番、共感した話は、「クールジャパン」について。自分で「格好いい」っていうのって格好いいか? には全く同感。そのあとは、文化とかについても書かれているのだけど、日本に来た外国の人に「格好いいと思ってもらえるよう、親切にしたい」というまとめに著者の人柄を感じる。

No.4753

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