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(書評)異世界JK町おこし このことについて、魔族に依頼してよろしいか伺います

著者:くさかべかさく



名所も名産もなく、冒険者たちが通っていくだけの「2番目の町」タフタ。役所に勤めるハルは、町の財政難に苦悩していた。そんなある日、異世界から来たというJK勇者・ナツが役所へ迷い込む。レベル1の雑魚であるナツだが、彼女は町の観光資源として、魔王を誘致しようと提案。そして、その魔王は、ナツの友人であるフユで……?
なんか、世知辛い話だなぁ……(笑)
一応、設定から説明していくと、物語の舞台としては人類と魔王が争うRPGであるような世界。勇者が生まれる「はじまりの町」を出た勇者が、次に訪れる町という位置づけ。勇者に倒されたくない魔王軍と取引をし、魔王軍に第3の町へのトンネルを封鎖することで安全を確保している。しかし、同時にそれは町の存在価値をなくし、財政的に厳しくなっている。
魔王軍としても、勇者を強くして倒されるわけにはいかない。町としても安全を確保したい。その結果、200年間にわたる均衡状態が出来上がっており、しかし……という状況。いかにもお役所的な発想の物語と言える。
設定としてはなかなか面白い。町の安全を確保し、観光資源を、ということで魔王が訪れるように、としたのだけど、老人たちの中には、魔王軍を徹底的に毛嫌いしており、魔王を倒せ、と陳情に訪れる者もいる。また、魔王軍との交渉により、トンネル封鎖を解除してもらったら、そのトンネルの利権を巡って第3の町が介入してくる。しかも、公的文書という盾が使えないよう、宗教団体を使っての不法占拠をしてみたり……。RPGの世界観にお役所仕事的要素を加えていくと、こんなにも世知辛い物語になるんだ、というのは目から鱗。
ただ、タイトルなどにもあるよう、現代社会の女子高生がやってきて……という割にはイマイチ、女子高生らしさ、みたいなものは感じられず、また、全体的に淡々とした印象になっているのはちょっと勿体ない。しかも、この世界が、その女子高生がスマホアプリとして作ったもの、とか、メタ視点的なものが出てくるのだけど、それもそこまで強くは感じられなかったし。なんというか、「異世界に女子高生が転移して」という割に、結構、馴染んでいる感じなんだよね(まぁ、実際に転移したら、そうなる気がしないでもないけど)
もうちょっとメリハリがあっても良かったかな? という感じはする。
で、これ……続くの?

No.4761

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