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(書評)ノー・コンシェンス 要人警護員・山辺努

著者:梶永正史



量子コンピュータ開発企業代表の辻川が、米国出張中に殺害された。辻川の警護を担当していた山辺は、帰国後、「キー」を探す者たちから襲撃されることに。キーとは何か? なぜ自分が? 戸惑う山辺の前に、内閣府の職員だという田川美香という女性が現れ……
物語として独立しているけど、主人公が元自衛官であり、『パトリオットの引き金』に出た松井も登場する。一応、そちらを読んでいた方が楽しめるんじゃないかと思う。
物語の開始は冒頭の限り。警護対象である辻川を喪い、さらに、何者かの襲撃を受けるようになった山辺。そこに現れた女性・美香は辻川は量子コンピュータの研究をしていて、少し前に起きた大規模なハッキングは、その量子コンピュータによるもの。そして、その存在をブラックマーケットが狙っており、辻川の残したキーがないと、その量子コンピュータは起動しない。美香によって、チームが組まれる。しかし、そこには裏切者がいる、と謎の存在・ジョシュアによって伝えられ……
次々とやってくる襲撃者とのバトル。スピード狂のタクシー運転手。部屋の中にも数々のトラップを仕掛けている変人……それらとのやり取りの中で、だんだんと山辺がツッコミ属性を持っていく様に笑った。基本、ヘンテコな面々ばかりなので、なんか、常識人の山辺ってそういう立ち位置にならざるを得ないんだろうな。
ただ、その中で、山辺自身が感じることなのだけど、常にあるのは、何者かに操られている、という感覚。それは、常に山辺を尾行している存在であり、そして、山辺に連絡をくれるジョシュアとは何者か? そんなところが物語の焦点となっていく。
ただ……何となくジョシュアの正体は予想できるんだよな。何しろ、辻川が何を考えていたのか、というのは速い段階で告げられているし、もし、それを備えた存在がいたら……となるわけだし。そして、そのジョシュアがツッコミを入れるように、山辺があまりにも短絡的に「こいつが怪しい」「こいつが」と連呼していくから、そこで選択肢が潰されていく、というか……
テンポの良さとか、だんだんとノリが軽くなっていく様とか、面白いところはあるんだけど、肝心の謎とでも言うべきところがやや弱く、その分、インパクトも弱くなってしまったように感じる。

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