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(書評)緑衣の美少年

著者:西尾維新



指輪学園の大敗を企てる組織・胎教委員会。彼らに近づくため、胎教委員会主催の映画祭参加を決める美少年探偵団。題目は『裸の王様』、課題は『馬鹿には見えない服』。期限まであと1日しかない、という状況で映画製作を決めるのだったが……
前巻に続いて、話としては「繋ぎ」という感じの巻。ただ、今回は、世界観の転換とか、そういうものも少なく、純粋に冒頭に書いた目的のために映画製作をする、という話。と同時に、眉美は視力の危機ということになり、不参加。どちらかというと、メンバーが作った映画を見て、どう感じたのか? という部分に重きが置かれている。
『裸の王様』『馬鹿には見えない服』をどう解釈するのか? それぞれ、面白い。
「馬鹿には見えない服」……つまり、馬鹿なんだけど、賢そうに見える服、だったり、王様をだます側の仕立て屋視点の物語だったり、はたまた、映画というものなのに朗読劇にしてみたり……と、かなりぶっ飛んだ作風。でも、確かに、そのテーマだったりに合致していて、なるほど、と思わせる。その中で、やっぱり団長が作った映画の「綺麗さ」っていうのは際立っているよな。美しさ、とか、そういうものの価値は移ろうもの。それを出す、って、ある意味、小学生らしい、綺麗な心があるから、なのだろうな……
と、メインになる部分としてはそんな感じなのだけど、その上で先に書いた眉美の視力が、という問題。そして、前々巻で登場した組織の手先・沃野との再会により、自分の心に向き合うという決意へ。メインの部分ではあまり話が進んでいないのだけど、わきの部分でちゃんと物語を進展させる辺りは堅実だな、と感じる。まぁ、結局、眉美が「やりたいこと」っていうが何なのかはよくわからないし、眉美の危機っていうのは回避どころか……ってことになっているわけだけど。
あと、何巻あるのかわからないのだけど、また一歩、物語が終幕へ近づいているな、というのを感じる。

No.4780

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