(書評)ファントムレイヤー 心霊科学捜査官

著者:柴田勝家



零障事件が頻発している、という女子高へと潜入捜査をすることとなった御陵。そこで知ったのは、クビナシ様というスマホアプリを使ったおまじないが流行していること。異色の呪術に、御陵は興味を示すのだが……
大分、作品の形とでも言うべきものが固まってきたかな? という印象。言い方は悪いけど、今回のエピソードは、かなり定番のモノを使ってきたな、という感じがする。
冒頭に書いたように、霊障事件が多発している学校。その中では、怪しげなまじないが流行しており、その背景には、霊子を利用したゲームアプリが使用されていた。そのアプリを開発した、というのは、学校の元教師である三上。だが、三上は、かつて、学園でも有名な女子との交際疑惑があり、その後、生徒は自殺していた。三上を殺す、という脅迫文などが出る中、三上が殺害され……
正直なところ、自殺した少女が言っていた「子供」云々については、この流れならば、「多分、これのことだ」というのは予想できる。勿論、警察の立場としては、そのことを調べねばならないんだろうけど、なかなかそっちの発想に進んでいかないのはちょっともどかしい。それが判明すれば……事実まであと少し、というのがあるだけに余計に。また、完全に霊子を遮断した、霊的な意味での密室空間、というのがこの作品の謎になるわけだけど、結構、あっさりとそれが破られている感じで、肩透かし気味かな? と感じる部分も。
ただ、個人的に、この学校という閉鎖空間での、人間関係の手のひら返しとかはリアリティがあって良いなぁ、と感じる。
元々、奔放で、学校でも人気者であった彼女。しかし、教師との恋愛疑惑などがあり、その評価は反転してしまう。狭い村社会とでも言うべき社会環境だからこその、ちょっとしたものでひっくり返ってしまう人間関係。そして、「子供」を奪われた恨み。それらが呪いとなって……という辺りは、わかる気がする。しかも、最終的に、この霊子という存在があり、呪いとして後に災いを、という場合、それが罪として成立するのか? という世界観そのものの問題を作り上げる辺りは、SF作品が主戦という著者らしいんじゃないだろうか。
ただ……
最終的にはメイド喫茶かい!

No.4790

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