(書評)魔法少女さんだいめっ☆

著者:栗ノ原草介



「やーい、お前の母ちゃん魔法少女ー!」 幼い頃から魔法少女の息子としてからかわれてきたハル。30代にもなって、痛々しい行動を取る母が、ついにぷるりら☆遥奈を引退すると聞いて歓喜したのもつかの間、自分が二代目契約を結ばされてしまう。自分が魔法少女にならないで済む方法はただ1つ。三代目の魔法少女を探すこと。そんなとき、熱狂的な母のファン・満咲と出会うのだが……
第12回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞受賞作。
設定としては、かつて、コロネという強大な力が地球侵略を目指し、それを阻止し、コロネの力を封印したのがハルの母・遥奈。それと同時に、アイドル的な活動をし、現在に至る。コロネはしばしば現れるが、母に力を封印された彼女は全く危険な存在ではなく、母の活躍を知っていたものは数少ない。だからこそ、ハルはからかわれ続けてきた。そんなとき、冒頭に書いたように、母に憧れる満咲と出会い、彼女を三代目に、と画策する。しかし、彼女は絶望的なほどに魔法少女としての才能がなかった……
話としては、コロネの相棒であるピロシキがさえないオッサンとか、そういうのも含めて、どこかで見たようなガジェットが沢山。結構、まっすぐな熱血ものだった。
とにかく、満咲が猪突猛進で、トラブルもしばしば起こす。でも、いくら魔法の才能がない、と言われてもへこたれない。魔力が上がる、という練習もひたすらに繰り返す。それでもって、ちょっとしか魔力が伸びない、と言われても、「少し近づけるから」と。そんな彼女を見て、ハルが思い出すのは、自分が、野球で挫折した時のこと……。幼いころから、野球づけで、プロ野球選手になるんだ! と意気込んでいた子供時代。でも、その野球の世界で憧れの指導者に「お前には才能がない」と一蹴されてしまった……。満咲と立場としては似ているはず。でも、満咲は、そんな言葉にへこたれることなく……。魔法少女なんて……そう思いつつも、でも、一生懸命な満咲に惹かれていって……
好きか嫌いか、なりたいか、なりたくないか、と、才能があるかどうか、は別物。だからこそ、挫折が生じる。でも、才能が無かろうが、とにかくまっすぐにそこを目指す満咲って、凄く格好良いと思う。そのところが、これでもかと詰まっているからこその、終盤、満咲の危機にハルが、っていうことになったのだろうし……。ギャグとか、そういうのも多いのだけど、それよりも、ハルと満咲の、ある意味似た境遇ながら、全く逆に動いた決断の違いが光っていた。本当、熱血ものとして面白かった。
……で、悪魔に憧れている散華について何も書いていない自分に気づいた……

No.4808

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