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(書評)アンハッピー・ウェディング 結婚の神様

著者:櫛木理宇



幼馴染の史郎を一方的に慕っている咲希は、妹に紹介され、結婚式のサクラのバイトをすることに。様々な結婚式に出席することになる咲希だったが、サクラを頼むだけに一筋縄にはいかないものばかり。そんな中、よく利用することになる老舗ブライダルでトラブルが頻出することに気づく。そこでは、幽霊が出る、という噂があって……
タイトルと紹介文から、連作短編形式なのかな? と勝手に思っていたのだけど、長編作品だった。
最終的に「実は……」という部分が出てくるのだけど、中盤くらいまでは、結婚にまつわる色々なダークな話、というのが印象的。そもそも、出席者が少ないからサクラを頼む、という時点でお察しではあるんだけど、例えば、家族から大反対を受けている。学校などでの友達が少なかった。さらには、結婚、離婚を繰り返して……。そういった事情が諸々にある。法律上は、個人の権利とはいうものの、家と家が結びつく、とか、そういう事情もあるわけで、そういうところが垣間見える。しかも、同じくサクラをしていて仲良くなったベテランのサクラ・百合香が色々と裏事情を知っているから余計に。
「新郎新婦が一生懸命に手作りしたお菓子です!」
「いや、これ、会場のパティシエに作らせた奴だから。しかも、色々と口出しして煩わしい」
とか、そういうのって、絶対にあることなのだろうけど、それを聞かされちゃったらねぇ(笑) さらに、そんな結婚式の中で、次々とトラブルも。
センスがおかしなプランナーによる「演出」によって台無しにされる。なぜか、不可解な出来事が発生する。そんなことが立て続けに起こり、その中で咲希が気づくのは、不可解な行動を取るスタッフの存在。一体、彼女は何者なのか? という謎へ続いていって……
犯人の動機とかも、それまでのトラブルやらの中で出てきたものと共通するものがあって、というようなところは上手いと思う。ただ、内容としては、ちょっと引っ張りすぎかな? という気もする。謎解きそのものは比較的軽めだし、トラブルの連続というのも面白いことは面白いのだけど、ここまで連発したら咲希以外の、式場スタッフとかも感づくじゃなかろうか、という風に思える。300頁あまりの長編だけど、内容的には短編、長くともこの半分の分量くらいで十分にできたんじゃないかと思える。その辺り、ちょっと冗長に感じられてしまったのが勿体ない。

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