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(書評)起爆都市 県警外事課クルス機関

著者:柏木伸介



次々と起こる事件により対立が激化する米中関係。そのような情勢の中、違法捜査の結果、交番勤務に配置転換となっていた来栖は、その動向を探るよう命じられる。そして、調査の中で来栖は、違法ドラッグで荒稼ぎをしている横浜の半グレ組織の存在を知る。一方、麻取の疫病と呼ばれる女性捜査官・鬼塚のSとなった矢代は、その組織に潜入をするのだが……
シリーズ第2作。
前作は、事件を捜査する来栖が、いかに凄い情報網を持っているのか、というのを紹介するだけで終わってしまった感じがしたのだけど、今回は素直に面白かった。
中学の少女を米兵が襲った、ということに端を発する対立。中国社会はそこへの報復として犯人の米兵を殺害する。そして、今度は中華街で爆弾事件が……。しかし、実は半グレ組織・ヨコハマカルテルが仕組んだもの。それが、作品の前提となる部分。そこで、捜査が開始されるのだが、最大の謎は、ヨコハマカルテル、その首領・王はいったい、何を狙っているのか?
違法ドラッグで荒稼ぎをし、金は山のようにある。そのため、組織内でも彼を追い落として、という存在もいる。だが、米中対立をあおるのは何故なのか? さらに、安保闘争時代の爆弾のスペシャリストを雇い入れる理由は? 公安として、その手の情報のスペシャリストである来栖にも読めないその思惑。さらに、爆弾魔が出てきたことで、神奈川県警だけでなく、警視庁まで出張ってくる。さらに、王を支持する警察、政界の極右勢力の存在も見え隠れ。ますます、読めなくなっていったところで……
作中でも、カリスマ性がある、と言われる王の飄々とした物言い。そんな組織に潜入し、バレるか、バレないか、の中でギリギリの攻防を続ける矢代。そして、王の周囲に渦巻く様々な勢力の思惑。やや終盤、その勢力の関係が入り乱れ過ぎてごちゃ付いた感はある。でも、王の思惑を巡って翻弄されていく物語は面白かった。

No.4820

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