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(書評)タイトルはそこにある

著者:堀内公太郎



編集者が考えた「お題」を元に著者が文章を綴る形で作られた作品を集めた短編集。全5編を収録。
なんか、色々と条件はあるんだけど、物語として、一幕劇。もっというならば、演劇とか、そういう形でやっても映えるんじゃないかな? というのを感じる話が多いな、と思う。
例えば1編目『主役のいない誕生会』。一人の女性が失踪し、その中で関係者がバーに集められて行われることとなった彼女の誕生会。
最初は、それぞれが祝っているのだけど、話の中で、それぞれが関係性を言う中で、その人間性が現れてきて……。恋人とのいびつな関係。その間にある金銭的なつながり。さらに……。穏やかだった話がだんだんときな臭くなって、「お前が関係しているんだろう」というやりとりへと移行していく様は演劇的な話と言えるだろう。
また、3編目の『おしゃべりな男たち』は、会話文だけの物語。こえって、井上夢人氏の『もつれっぱなし』などを思い出す。弁護士である兄に頼みごとをする弟。そこから始まった物語はだんだんと不穏なものに……
なんか、こういう形式だから、かも知れないけど、物語として、平穏なところから、同じ場所での話なのだけど、最終的にブラックな話へ、というものが多い。著者の作品って、元々、ブラックなものがありるし、そういう意味でもカラーなのだろうけど、それにしても……。
そういう意味で、多少、作品のパターンが決まっている感じはある。ただ、読みやすさとか、そういうものは十分にあるし、一幕劇の面白さ、というのを強く感じるような作品集になっているんじゃないか、という風に感じた。

No.4821

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