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(書評)メタブックはイメージです ディリュージョン社の提供でお送りします

著者:はやみねかおる



自分が小説の主人公になることができる「メタブック」。ディリュージョン社の新入社員・森永美月はある日、自殺した作者が遺したと噂される「呪われたメタブック」の存在を知る。その物語は読んだ者に不幸な出来事をもたらすという。そんなメタブックをやりたい、という者が現れて……
シリーズ第2作。
前作は、どちらかというと「メタブックとは?」というような部分を紹介しつつ、それを実際に行うことの大変さを描きつつ、その中のトラブルなどを解決していく、という形のミステリであった。それに対し、今回は、結構、ストレートな「呪いのメタブック」の謎を解く物語となっている。
物語の依頼人はオカルト番組などを作っている人物。メタブックを使用したい、というのも、それを実証したいから。勿論、美月、手塚ら、ディリュージョン社の面々としては無事に終わらせることが何より。そこで、舞台とする街を調査することに。廃村となったそこで暮らす偏屈な老人などもいる中、嫌がらせ行為やら何やらが起こって……という感じで、いざ、物語の中での出来事、というよりも、その前段階。そもそもの脚本の謎を、という側面が強い物語と言える。
前作からそうなのだけど、美月と手塚のやり取りが、より、こなれてきた感じ。前作以上に、美月のことをぞんざいに扱う手塚。でも、山の中で育った美月も、自然とか、そういうものに疎い手塚にツッコミを入れたり、ミステリのお約束をアホらしいと言ってみたり……。そういうのを鑑みると、確かに、美月に対する手塚の態度って、帯に書かれている「ツンデレ」っていうのがわかる気がする。
で、その「呪いのメタブック」に秘められた謎。
一見、何の不思議もないようなラブストーリー。しかし、作中に仕掛けられた数々の悪意の罠。その罠が炸裂してしまったら……
そして、そんなものでも書いてしまったライターの、ライターだからこその性。美月と手塚の軽妙なやり取りがあるからこそ、その仄暗い真相が印象に残った。

No.4832

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