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(書評)1パーセントの教室2

著者:松村涼哉



これから破滅する人間を好きになってしまう特異体質を持つ「死神」こと、日比野明日香に見初められて1か月。「破滅を迎えるはず」の誠也は、明日香のアドバイスにより、辛くも災難を回避してきた。そんな中で起こった演劇部の倉庫全焼事件。なぜか、部員からの恨みを誠也は買っていて……
こうやって読むと、1巻というのはプロローグ的な意味合いが強かったのだな、というのを思う。文字通り、短編形式で綴られて、異能力的なものも示唆された形になっているわけだし。
今回は、細かな謎解きは色々とあるのだけど、一本の長編エピソードとして完成されている。冒頭、誠也が演劇部に拉致され、衣装を破いた犯人だろう、と疑われるところから始まって、その真相。さらに、燃えてしまった演劇部の倉庫で必死に何かを探している部長の思惑。それぞれの謎を解き、誤解を解いた、と思ったのだが……
本格的に、異能力の存在が物語の中心になることが明らかになり、その中で誠也が謎を解いた面々が、それでも心に秘めていた秘密を解き明かしてさらなる危機を作り出す存在の登場。その目的は、明日香を殺す、ということで……
解決方法は……なんというか、ある意味、それを目の当たりにした面々と同じようにある種の脱力モノではあるのだけど、とりあえず、それは置いておこう(笑) それよりも、このエピソードで、明日香についての謎が深まって、という形で物語の中心軸とでも言うべきものがはっきりした、という感じ。こういうと何だけど、第1巻の際に感じた不満とか、そういうものがスッキリと解消された感じ。
一気に盛り上がってきた感じで、次巻も楽しみになった。

No.4882

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