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(書評)忘られのリメメント

著者:三雲岳斗



擬憶素子・MEMを額に貼り付けることで、他社の記憶を疑似体験することが出来るようになった時代。MEMに記憶を提供する「憶え手」である歌手・宵野深菜は、MEM技術を一手に担うリギウス社のCEOから脱泡MEMの調査を請け負う。その脱泡MEMには、稀代の殺人鬼・朝来野唯の模倣犯と見られる人物の殺人風景が記録されているという。だが、そんな矢先に深菜の同居人である三崎真白が殺害されて……
著者の作品を読むのは久々。まぁ、ライトノベルレーベルで出ている作品とかを追いかけていないからなぁ。そんな中での本作は、本格的なSF作品に仕上がっている、と言える。
稀代の殺人鬼であり、同時にMEMの開発者でもある唯。一般には快楽殺人者であるとされている彼女であるが、彼女が目的としていたのは「神の記憶」なるもの。そして、既に死亡している、とされているが、ひそかにリギウス社に匿われていたという。そして、その唯が消えたとき、模倣犯が現れて……
「神の記憶」というのは何なのか? そもそもそれを手に入れて何をするつもりなのか? 真白が殺された理由は? そんな謎を提示しながら、同時にリギウス社の思惑によって右往左往させられていく話に翻弄された。そして、終盤になると、これって? という展開なども現れて……
物語としての大きなひっくり返しとか、そういう部分はないのだけど、様々なピースがしっかりと一つの物語の中にまとまっていき、しっかりと着地する。そういう部分での完成度もしっかりとした佳作と言えるだろう。

No.4895

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