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(書評)昨日の僕が僕を殺す

著者:太田紫織



母が父を殺した、という淡井ルカ。引き取ってくれた叔母が亡くなり、ひっそりと暮らす彼は、クラスメイトに呼び出され、廃屋で化け物じみた老婦人に、死んだ娘の婿になれと迫られる。そんな彼を救ったのは、叔母の愛していたベーカリーの店長と従業員である榊。実は彼らにはある秘密があって……
話としては、完全にオカルト部分を前提とした話。粗筋で書いたように、化け物じみた老婆により、死者と結婚をしたことにより、不幸が襲ってくるような状態になってしまった。その状態から身を守るため、ベーカリーのお世話になることに……。そして、そのベーカリーの面々は、吸血鬼だったり、犬神憑きだったり、天狗だったりという人外の存在。そして、そんな面々に囲まれることになって……
まず言うと、この作品、ホラーとしての怖さ、というのはかなりあると思う。序盤の老婆に迫られるシーン。はたまた、叔母の亡霊に引きずり込まれそうになるシーン。そういうところは、本当に怖い。
ただ、なんか……話そのものがとっ散らかっている、というか……。ルカについての話のはずなのに、色々と横にそれたり何なりで、どこがメインなのかな? と感じる部分が多く、ちょっと読みづらさを感じた。この辺り、以前に読んだ『オークブリッジ邸の笑わない貴婦人』とかと感覚的に近いかな? それと、ルカ自身についても、結構、迂闊というか、そういうところが多いのも感情移入しづらいと思った部分。いや、実際、訳のわからないままにベーカリーに住み込みになって、しかも、その面々があまり多くを語らないから……ということを考えれば、疑心暗鬼になる部分もあるとは思う。思うんだけど、わざわざ自分からトラブルを引き寄せるように行動していて、読んでいて若干、イラっとする部分がある。
読み終わると、明るい兆しとかも見えて、こういう話の方向性とかわかるのだけど、ちょっと読みづらさを感じざるを得なかった。

No.4899

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