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(書評)天保院京花の葬送 メフィスト・ワルツ

著者:山口幸三郎



全寮制の名門女子高・藍泉女子高で次々と起こる『七不思議』に沿った形の奇妙な事件。そして、芸術祭でついには殺人事件が……。天保院京花は、その事件の解決に乗り出すことに……
シリーズ第2作目。
粗筋で書くと、事件が起こり、京花がいきなり事件に関わるように見えるのだけど、どちらかというと本作も前振りと言えるような部分の分量が多い。ただ、前作とは違い、屋上から転落死した生徒を巡り、新聞部部長がそれを探り……という物語。そして、そんな新聞部部長の死を巡って調査を開始する生徒会長……と時系列順に物語が展開していくので前作のような読みづらさは感じなかった。
「七不思議など、迷信」
その言葉が象徴するように、そもそも閉鎖された学園という世界だからこそ広まる噂。それは、退屈凌ぎの遊びであり、事実、その中も時の移ろいの中で入れ替わっている。しかし、それに傾倒するもの。事実として起こる奇怪な事件……それらが、積もり積もって「呪い」として広まっていく。そして、そのカギを握る「化学資料室のフジミさん」。その正体は……
推理しろ、と言っても、オカルト話が関わってくるので、それを、というのは難しいところ。ただ、その閉鎖空間だからこその息苦しさ。そして、だからこそ広まっていく噂。その「呪力」とでも言うべきものの歪みが強く感じられる。真相も、その歪みが凝縮された形で物凄く後味が悪い。だが、それこそ、この話の魅力なのだろう。
まぁ、まだまだ京花の謎とかは謎のまま。これ、まだ、続編はあるんだろうな……(別のキャラクターのスピンオフシリーズが出ているけど)

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