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(書評)NGな彼女は推せますか?

著者:海津ゆたか



才能至上主義の学園に入学した中島拓人は、自らのプロデュースでアイドルを育てることを決意する。その相手は、合格発表で出会った少女。しかし、発見できないままに、時間だけが経過し、しかも、一般生徒は学内で事務所を設立できない、と言われる。そんな中、ようやく出会った合格発表の日の少女は、NGを連発する地味っ子・滝沢一花で……
正直なところを言う。序盤は読んでいて、結構、辛かった。
主人公の拓人はアイドルオタク。そして、幼馴染の千穂もまた……。そこまでは良いのだけど、個人的に、オタ芸って言われる奴が大嫌い。あんなの、周囲に迷惑かけているだけじゃねぇか! なんか、序盤、繰り返されるその手の会話に結構、ウンザリした部分があったりする。
ただ、演奏や作曲などの才能はあるけど、歌は音痴な寧子。服飾関連で物凄い才能を持っている珠衣。そんな面々が集まって、これは無理(NG)という一花をだんだんとその気にさせていく、という辺りからだんだんと楽しくなっていった。基本的に、寧子にしろ、珠衣にしても、ちゃんとやれば一般受けするようなものを作れる技術を持っているのに、基本的な考え方がひねくれているので「どうしてこうなった……」を連発してしまうとか、その辺りのやりとりはかなり楽しい。
そして、そんな一花がいよいよ……というところでの躊躇。そこからの……
「夢でした」で、いったんは諦めた一花の夢。それを説得して、再び……。そこまでは、決して目新しい、とは言えないかもしれない。でも、そこから、さらへ……というために拓人の「演出」。これって、物凄い賭けではある。あるんだけど、でも、それをやることで、文字通りに一花が「こうなりたいんだ!」と決意を固めるシーンは素直に熱い。ある意味では、拓人は、一花の芯の強さ、とでも言うべきものを既に見抜いていたからこそ、なのかな? とか、そんなことを思ってしまった。どっちだったんだろう?
学園内の様々なことが、相互投票による「ポイント制」で、云々という学内のシステムとかについては、正直、よくわからない部分もあったんだけど、そこは抜きにして、素直に一花がアイドルとしての一歩を歩んだ、という部分を熱く描いた物語として楽しめた。

No.4916

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