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(書評)隠し味は殺意 ランチ刑事の事件簿2

著者:七尾与史



「絶対味覚」を持つ天才コック・古着屋により、一般市民まで訪れる人気店となった室田署の地下食堂。警視庁随一のグルメ刑事こと、圀吉まどかと高橋竜太郎は、その味を堪能しつつ、同時に事件の捜査に古着屋の腕を借りていた。そんなある日、鵜養鉄筋の社長が何ものかにめった刺しにされて殺害される事件が発生して……
シリーズ第2作。
まず言えるのは、今回、古着屋の出番が少ない! そして、意外と社会派だ!
被害者が殺された建設会社へ聞き込みに向かったまどかたち。そこで見えたのは、専務と社長の妻の怪しげな関係性。そして、そこで働く外国人技能実習生たちの姿。
外国人を受け入れ、技能などを学んでもらってその国の発展に役立ててもらおう、という実習制度。しかし、その実態は、というと……。会社としては、劣悪な環境で、しかも、低賃金で使える労働力としてしか見ておらず、しかも、そこでやらされる仕事は、誰でもできるような単純作業ばかりで学びもない。さらに、そんな実習生たちを見下したりする者も。だが、実習生たちは、来日するために多くの借金をしている……
まぁ、既に現実の世界でも事件などが発生している問題だから、それを全く知らない、というまどかの無知さ、っていうのはどうかと思うのだけど、そういう問題をまとめてきたな、という感じ。
そんな問題を提示しながら行われていた捜査。その中で浮かび上がってきたのは、会社でも一番の問題児と言える社員、かつての実習生が共に失踪していたこと……。問題児は、社長を脅していた形跡が見えるが、その問題児も同じ手口の遺体で発見され、さらに……
と、ここまでほとんど料理要素がなく来る。そして、最後にようやく古着屋が登場して……となるのだけど……
都合よく古着屋の特殊能力が発揮されて、ということで強引さがあるのは否めない。ただ、一応、最後の犯人絞り込みにおいて、地元の味、というものでやるなど、最低限の論理性を保っていたのは良かったと思う。古着屋の特殊能力じゃなくても良かったような気がしないでもないが……
タイトルにも「2」とついているから、いきなりこれから読む人は少ないと思うけど、古着屋の能力とか、そういうのを理解するためにも前作は必読だろうな。

No.4920

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