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(書評)廻る学園と、先輩と僕 Simple Life2

著者:九曜



学園一の美少女と言われる片瀬司先輩と恋人関係になった千秋那智。しかし、その関係は公言出来ないものであるため、放課後にこっそりとデートをしたり、授業を抜け出して屋上で一緒に過ごすという関係。そんな中、風紀委員である飛鳥井明日香が現れて……
なんか、粗筋を見ると、風紀委員である明日香が新たなヒロインとして現れての三角関係という感じだけど、読んでみるとちょっと違う感じ。どちらかというと、後書きで著者が言っているように、「日常に終始」、「誰が誰に対してどんなどんなことを思っているのか」というような部分を主にした話、という感じ。
前作から出てきている那智の親友である一夜。はたまた、司の親友である円。そういった面々の掘り下げの方が強いかな? と。
特に、一夜については……。容姿端麗で、文武両道。当然、多くの女子から告白をされたりするが、それは全て断っている。そんな彼が思っていること……。前巻で描かれた那智の境遇。ある意味、それと同じような境遇にある一夜。だからこそ、自分とは違う那智のことが……。それ自体は良いのだけど、一夜の場合、LIKEじゃなくて、LOVEに見えるんだよな。
そして、司、那智、さらには一夜のことを近くで見守る円。一線を引いている、という立場ながらも、だんだんとその様子に触発されて行って……
物語的には、完全に「日常回」。その中にあって、明日香の登場というのは、それぞれの立ち位置、感情、そういうものを表に出させるためのきっかけとして機能している、ということになるんだろう。ある意味では、「繋ぎ」の巻。あとがきで書かれている、次巻の「一波瀾」を楽しみにしたい。

No.4925

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