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(書評)姫ゴトノ色 The Eyes of Blood

著者:界達かたる



高校入学を機に、豪奢な屋敷・姫裏家にて住み込みのアルバイトを始めた僕・イサミ。メイド長を名乗るイグルミさんによれば、屋敷には三姉妹が住んでいるらしい。だが、長女は不在で、次女は放浪中。そして、三女のねむは部屋から出ることのできないという。そんなねむに引っ掻き回されるのだが、入学したばかりの高校では、姫裏家での暗い噂が広まっていて……
第7回講談社ラノベチャレンジカップ「優秀賞」受賞作。
これは自分の好みの問題かもしれないけど、イグルミとボケとそれに対するイサミのツッコミというのがちょっと長ったらしかったな、と感じた部分があったりする。
物語とすれば、屋敷での住み込みバイトを始めたイサミ。しかし、その屋敷では、三姉妹の両親が死亡しており、疑惑はその娘たちに。確かに、三女のねむは、部屋から出ると、周囲が真っ赤になって何も見えなくなってしまう、という心理的な視覚障害を背負っており、次女の五和もまた失語症を抱えている。さらに、イサミの元へ届く「近づくな」という警告のメッセージ。
最初に書いた、イグルミとイサミのやりとりを含めて、当初は日常的な、ほのぼのとした雰囲気だった物語がだんだんと血なまぐさい感じになっていく、というカラーの変化に惹きつけられる。そして、その中では、一人しかいないのに「メイド長」を名乗るイグルミとかにも疑念が向かっていって……
隠された真相については、「あれ、そっちなの?」という風に思った部分がなかったわけではない。ただ、考えてみれば、色々な真実の部分は明かされていたわけだし、考えさせ過ぎる、というようなところで上手くミスリードしている、という意味ではしっかりと策にハマった、という風にも言えるんだろうな。
まだ、色々と広げられそうな感じはするけど、話としてはまとまっているし、終わってみると、なかなか満足感も高かった。

No.4959

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