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ボーダレス

著者:誉田哲也



出会うはずのなかった4つの日常が結びつく物語。
普段と比べて、明らかに短い粗筋紹介なのだけど、それをやると長々となってしまうため。ただ、冒頭に書いたように「4つの物語」というのが一つのキーとなっている。
とにかく、読んでいる最中、何よりも感じたのは、「これ、どういう風につながっていくのだろう?」ということ。何しろ、4つのエピソードがどうつながるのかさっぱりわからないから。ということで、どんな話なのかを綴ってみる。
夏休みの登校日、超然としているクラスメイト・希莉に言葉をかけ、仲良くなる奈緒。
何者かの襲撃を受け、盲目の妹・圭を連れ、山中を逃げる芭留。
音大進学を目指しつつも挫折し、現在は実家の喫茶店を手伝っている琴音。
病弱で、屋敷の部屋で、読書と、親に秘密裏に会いに来てくれる人を待ち焦がれながら過ごす少女。
この4つの話を繰り返しながら物語は進展していく。奈緒視点の物語は、ひょんなことから会話をするようになった希莉が、小説を書いている、ということを知って、「すごいな」などと思う話。琴音視点の物語は、家の手伝いなどに不満はないが、しかし、挫折をした自分に対する妹の冷たい視線に罪悪感を覚える……と、文字通り、日常と言った印象の物語。
一方で、芭留の物語は、何者かに襲撃をされ、森の中を追跡者から逃れようとするサスペンス。そして、病弱な少女は、親に秘密の相手との密会を楽しみにする、という背徳感と、現実感の薄い、オトギ物語のようなカラー。それらが、繋がるのか? という疑問を抱きつつも、読み進めていくと……
正直、読み終わっての感想は「うーん……」という感じだったり。
途中、いくつかのミスリードがあったりするなどはするんだけど、終わってみると、つながりはしたけど……という感じになってしまうのだ。というのも、「そうだったのか!」というようなトリックがある、という感じではないし、また、それぞれが影響しあって……という群像劇的な部分も薄い、ただ、「はい、繋がりました」というだけ、とでもいうか……
それぞれのエピソードの中で、主人公が抱える思い、とか、そういうものは素直に納得できる。ただ、4つの物語が……という点でいうと、「とりあえずまとめました」と言われているだけの感じで、正直、物足りなさを覚えた。

No.4990

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