FC2ブログ

黒獅子城奇譚

著者:川口士



放浪の騎士グレンと、新刊を装う魔術師リューは、雷雨に襲われ、黒獅子城と呼ばれる古い砦に逃げ込む。そこには、グレンらと同じく、雨宿りをしていた先客たちが……。視察を終えた騎士たち。義眼の老騎士。商人一家。貧しい吟遊詩人に、しっかり者の町娘。砦に纏わる伝説が語られる中、雨宿り客の一人・老騎士タングレーが遺体となって発見され……
著者の作品を読むのは久々。著者の作品というと、王道な、骨太なファンタジーという印象なのだけど、本作はクローズドサークルでのミステリといった趣の作品になっている。
とりあえず言うと……なんか、イラスト、妙にエロ方面を頑張ってない!? 話の中で、そういう行為をしている、という描写もあるわけだけど、そのタイミングでそのイラスト!? みたいな部分が……。191頁のイラストなんて、会話でちょっと出てきただけ、なのに丸出しやん! ……って、そこで引っ張っても仕方がないな……
で、物語なのだけど、雰囲気は凄く好き。雨宿りのため、黒獅子城に辿り着いた面々が語る過去の話。その中で見え隠れするそれぞれの人間関係。そして、何かを隠している様子……。その中で起きた殺人事件。犯人はいったい誰なのか? そして、どうやって老騎士を殺害したのか……。アリバイに関する話。そして、疑心暗鬼。その中で、さらなる事件が発生して……。魔法とか、そういうものがある世界だけど、そういう設定だからこその考察というのは非常に魅力的。
ただ、その真相は……というと……
なんか、色々と後付けっぽい感じになってしまっているんだよな……。勿論、人間関係とか、そういう部分について、実はこうでした、という部分があること自体は良いのだけど、それがあまりにも連発しすぎていて、トリックそのものまで……となると……。
雰囲気、設定と言った導入が凄くよかっただけに、謎解き部分をもうちょっと頑張ってほしかった。

No.4992

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。


スポンサーサイト



COMMENT 0