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JKでエロラノベ作家ですが何か?

著者:わかつきひかる



官能小説の大手・イタリア書院の契約社員である鈴木遼平に与えられたのは、JP文庫iのリニューアルに伴い、鬼畜系ポルノ作家である美月トオルに萌え系学園ラブコメを書かせること。正社員登用のため、美月トオルの元へ向かった遼平だったが、美月トオルはなんと17歳の女子高生。しかも、編集者とのやり取りにトラウマを持っていて……
そこまで美少女文庫とかの事情には詳しくないけど、何となく、この辺りの時期とかを題材にしているんだろうな、というのを感じることが出来る作品(笑) で、編集者側の視点での「お仕事」作品ではあるんだけど、著者の経験とか、そういうものを含めて盛り込まれているのかな? というのを思わずにはいられない。
物語は、遼平が、いかに美月(美月トオル)の信頼を得るのか? という奮闘記。実は高校生で、しかも、学校の成績が良くなくて……ということで、まずは勘違いされたこともあり、家庭教師として授業を、というところから。名門大学出身という遼平が、勉強方法はパズルを解くようなもの、っていうような形での教え方。これ、実際、「わかるな」という感じはする。漢字は、部首との組み合わせで意味を覚えると良い、とかは基本だもんね。……そこで出てくるのが、「輪姦は、女3人が輪になっている」とかって例はアレだけど(笑) ともかく、そうやって信頼を得たかと思ったら、今度は、美月の「手直し」に対するトラウマ……が……
丁度、立て続けに、作家と編集者、みたいなテーマを題材にした作品を読んだのだけど、一番、その関係についてハードな状況が描かれていると感じる。そもそものスタート地点の齟齬があり、しかも、途中から完全に私怨、嫌がらせのような形になってしまった前編集者のやり方。頑張れば頑張るほど「生意気」扱いとなり、書きたいものは書けなくなっていって……。勿論、商売であるから、「こういう方向で」とか、そういう部分での対立はあるんだろうけど、両者の感情的な対立、しかも、力のある方が……という状況の息苦しさっていうのが、これでもかと伝わってくる。他にも、母親との確執、学校でのアレコレ……。そこまで陰湿には書かれていないけど、でも重いものが刺さる。
そんな状況にあって、美月のことを最大限に尊重し、「可能かどうかはわからないけど」と美月のために動く遼平は凄く格好いい。しかも、それはただお人好し、というわけじゃなくて、遼平自身の挫折とか、そういう過去が入っているから説得力もある。ちゃんと理由があっての行動なので、違和感を感じないのは見事の一言。
編集者の仕事って、作家とのやりとりだけじゃない、ってのはわかっているんだけど、その部分をクローズアップし、明るい部分も、暗い部分もしっかりと描きつつ、読後感の良い形でまとめられる。題材とかに抵抗はあるかも知れない。でも、こういう題材だからこそ、むしろ、赤裸々に描ける、っていう部分もあるだろうし、題材、キャラクターなどが上手くマッチした佳作だと思う。

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