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踊り場姫コンチェルト

著者:岬鷺宮



全国大会を目指し、県立伊佐美高校の吹奏楽部へと入部した康規。堅実ではあるが、特徴がないと言われる彼が命じられたのは、天才的な才能を持ちながらも、壊滅的な指揮を振る「踊り場姫」こと藤野楡にまともな指揮をさせること。周囲に関心がなく、取り付く島もない楡と、どう距離を縮めるのか苦心するのだが……
上に書いた粗筋からも明らかなわけだけど、音楽を題材にした作品。ただ、どちらかというと音楽そのものというよりも、ボーイミーツガール。楡に振り回されながらも関係を進めていく物語、という印象。
康規は、トランペット奏者であると同時に、サイトで音楽配信も行っている存在。しかし、その人気は……。だからこそ、とんでもない再生回数を誇る楡の才能にほれ込む。しかし、楡は、そんなことお構いなし。だが、康規もまた、音楽を作っていることを知り、だんだんと打ち解けていくが……
とにかく曲の完成度やら何よりも自らの感性だけに従った指揮をする楡。しかし、それに周囲は振り回されるだけ。少しずつその指揮に合わせる形になっていくものの、部員の不満もまた。そのような中、自らの劣等感を康規はぶつけてしまい……。同じように、音楽を作っている、という想いから距離を縮めていたが、それすら……。だが……
正直なところ、私、それほど音楽、とくに吹奏楽とか、そういうのはよくわかっていない人間なのだけど、同じことをしているからこその連帯感。そこから育まれる共感。だからこそ感じる劣等感。でも、その中でしっかりと培われてきたもの……というのがストレートに感じられて、その部分を楽しむことが出来た。話の流れは、ある意味、定番なのかもしれないけど、それ故の安心感というのもあるし。
そういう意味でも、非常に手堅い一作、という感じなのかな? と。

No.4999

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