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異世界拷問姫6

著者:綾里けいし



「今だけは俺が王だ。盲目的に、俺に従え」 狂王と化した瀬名櫂人。たった一人の女を救うため、『拷問姫』の代理人として人間、獣人、亜人による三種族合同防衛戦線を掌握する。だが、従兵たちの進行は繰り返されるごとに激しさを増していき……
物語として一区切り、という面もある第6作。一体、前巻を読んだのはいつだったっけ? と思わないではないが、大体の概要を覚えていたので、それほど問題はなかった。
ただ、実際問題として、確かに、物語をこれでとじても全く問題がなかった、というのはよくわかる。
物語はとにかく、エリザベートが終盤まで登場しない、という中での進行。それぞれの勢力とのやりとりをし、その防衛戦線を強化していく櫂人。そして、その中でつかの間の平和とも言うべき、妻・ヒナとのやりとり。でも、そのヒナにもわかっている、櫂人の、エリザベートへの想い。そして、何よりも、櫂人に突きつけられる「エリザベートを殺せるのか?」という問いかけ。そんな櫂人の決断は……
悪魔との闘いとか、はたまた、櫂人と父親との関係とか、そういうものは色々とあった……。でも、このシリーズをまとめると、櫂人、エリザベート、そして、ヒナという3人の物語なのだ、というのがよくわかる。
ある意味では、重なり合い、ある意味ではすれ違っている3人の「想いの方向」。それは、決して重なることがなく、しかし、それが途切れたりすることもない。それぞれ、自分勝手ではある。しかし、その自分勝手である、ということ自体が、その本人を想いをこれでもかと象徴している。
その三者の想いが全て交錯した形でのラストシーン。決して、純粋なハッピーエンドではない。しかし、それでも、それぞれの想いというのが、痛烈に伝わってくる。こうなるしかない、という最高の締めになっていると思う。
なんで、こんなに積んでいたのだろう?(苦笑)
既に7巻が刊行されていて、それも手元にあるのだけど、それでも、これは素晴らしい一つの完結編だ、ということは間違いない。

No.5001

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